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建築/建設業界の労災事例

本サイトで紹介している労災事例は、実際にあった労災事故を掲載しておりますが、当協会によせられた労災事例ではありません。予めご了承ください。

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一人親方あんしん労災 – 電線と電柱の新設工事中に感電

一人親方あんしん労災 – 感電の労災事例

電線と電柱の新設工事中に感電


発生状況

本件労働災害は電柱の撤去及び建て替え工事中に、電線接続準備で電柱に登っていた作業員が既設電線に触れ感電したものである。災害発生現場は、電力会社から事業を請け負う元請業者で、電柱の新設や撤去、総配電線の新設や移設などを行う事業者であった。

災害発生当日は、撤去する電柱から左右45度方向に出ていた電線2系統を撤去。1本の電柱を撤去したのちに、その後方に1本新設。新設の電柱から角度0度にある既設電柱と配線の上、上下差で直角に交差している左右45度方向の電柱どうしが接続されている既設電線1系統と空接するというものである。

災害発生時までには電柱1本撤去と1本新設、新設電柱から1本の配線が済んでおり、既設電線と直角の位置で上下交差している状態であった。当日は、電線を活性化作業することと、直角に交わっている電線を空接する作業をする予定であった。

まず、電柱ごとに割り振られた作業者が各々高所作業車に乗り、電線とガイシに絶縁管とカバーを取り付け、電線接続担当者1名が、各電柱を回り、電線を接続する作業工程であった。これで活性化作業まで終わるはずであった。

災害は、災害現場担当の作業者が作業が完了し、電線の接続を待っているときに、ふいに職長が現場確認のために電柱を登ってきた。そのときに誤って高圧電線に触れて感電した。職長が触れたときには、すべての電線接続が済んでいたので、通電した状態であった。

作業前の打ち合わせでは、職長が現場作業をすることになっておらず、絶縁用保護具など身につけてはいない状態であった。

原因・対策

本件労働災害は、高圧電線の付近で作業するにも関わらず、絶縁用保護具を身に着けていなかったことと打ち合わせ通りの作業がされなかったことに起因する。そのほかにも、高圧電線に対する防護措置が不足していたことも挙げられる。

このような災害には、作業手順の策定と周知の徹底と、変更が発生した場合も事前に連絡をすることに加え、高圧電線周辺での作業をする際は、絶縁用保護具の適切な着用とマニュアルの策定をすること。さらに絶縁管、絶縁カバーを用いた防護措置も徹底することである。


一人親方あんしん労災 – 玉掛けした500kgの吊り荷が落下して接触・下敷きに

一人親方あんしん労災 – 飛来、落下の労災事例

玉掛けした500kgの吊り荷が落下して接触・下敷きに


発生状況

本件労働災害は送水管埋設工事中に、掘削作業で使用していたドラグ・ショベルで吊った鋼管が落下し、吊り荷の下にいた作業員を下敷きにした事案である。

災害発生当日は当該作業に4名が従事しており、ドラグ・ショベルの操縦者、講習修了者の玉掛け要員、送水管敷設及び接続作業員2名という配置であった。

敷設する送水管は鋼製で重さが約500kg、玉掛け要員がほかの1名の補助を得て玉掛けをして、ドラグ・ショベルのバケット先端に溶接されていた環状フックにワイヤー2本で吊り、掘削済みの溝へ下ろす作業を行っていた。玉掛けに使用されたワイヤーは直径8mmのものを2本使用し、アイ状にされていた。

玉掛けの準備が済むと、ドラグ・ショベルの操縦者が吊り上げて旋回をはじめた。施工済みの送水管の上でドラグ・ショベルの旋回を一旦止めたところ、玉掛けした吊り荷の鋼製送水管が抜け落ちて、接続作業員の1名に接触したのち別の1名を下敷きにした。

原因・対策

本件労災が発生した原因は、ドラグ・ショベルで荷を吊り上げたことや、荷が落下する可能性がある場所に作業員が入れたこと。さらに、玉掛けの方法が適切ではなかったことが上げられる。

このような災害の対策は、建設系重機で荷を吊って移動させてないことや、玉掛けは荷姿に合わせて適切な方法をとること。吊り荷が落下する危険のある場所に、作業員を立ち入らせないことが上げられる。


一人親方あんしん労災 – 矢板の打ち込み作業中、バックホウのバケットが激突

一人親方あんしん労災 – 激突されの労災事例

矢板の打ち込み作業中、バックホウのバケットが激突


発生状況

本件労働災害は、水道管を設けるために掘削した溝で、土留の矢板をバックホウ(ドラグ・ショベル)で打ち込み作業中、矢板を支えていた作業者1名にバケットが激突したものである。

工事は、元請け会社と関係請負人の作業者2名で行なった。バックホウを運転していたのは元請け会社の社長であり、工事当日は運転手兼指揮をとっていた。まず、深さ2メートル、幅120センチ、延長約6メートルの溝を掘削し、そのあとに土留の矢板を設置する作業に取り掛かった。その際運転手は、作業員を掘削溝の中に入れて矢板を支えさせ、バックホウのバケットで矢板を打ち込む方法で行うという指示を出した。この方法は以前から元請け会社が行なっていたやり方である。 順調に作業が進み、同じように5枚目の矢板を打ち込み始めた時に、バケットが矢板を打たずに、支えていた作業員に激突したものである。

原因・対策

本件労災は、バックホウのバケットが作業者に激突することが想定できたにも関わらず、危険な範囲に立ち入らせたなど、矢板の打ち込み作業における最適な手段を十分に検討していなかったことが原因で起きた事故である。

このような事故を防ぐために、矢板を他の方法で固定するなどの工夫をして、重機と作業者が接触しないような工夫をすることと、重機を用途以外の方法で使用する際にはしっかりとした手順を組み、作業員全員が理解して作業を行うことが重要である。また、指揮を行うものは一定の合図を定めて確実な指揮をとることも必要である。


一人親方あんしん労災 – 金具設置作業を高所で作業しているときに墜落

一人親方あんしん労災 – 墜落、転落の労災事例

金具設置作業を高所で作業しているときに墜落


発生状況

本件労働災害は、砂防堰堤建設工事現場において足場を組む作業中に発生したものである。

この工事は川に高さ15mの砂防堰堤を建設するもので、型枠組立とコンクリート打設を1mおきに繰り返しながら堰堤を完成させるものだった。作業用に張出し足場が組まれていたが、堰堤の高さが上がるたびに足場の高さも上げていた。

架替えにはブラケット設置用の単管を設置し、既設の手すりと足場板を外してから、単管にのってブラケットを付け直すことを繰り返していた。災害発生当時もこの作業中で、単管にのって手すりを留め具で固定する作業をしていたところであったが、被災者は乗っていた単管から足を踏み外し7m下に墜落した。

事故発生当時、被災者は安全帯を着装してはいたが、現場に親綱が設置されておらず、安全帯を使用することができなかった。

原因・対策

本件労災は、高所作業にも関わらず安全帯を使用するための親綱がなく、被災した者の安全帯が使用できない状態であったことが主因である。

このような災害の対処法として、足場板や作業板のない状態で作業することが減るように、あらかじめブラケットを相当数用意しておくことと、安全な作業方法を策定しておくことが重要である。また高所作業現場においては親綱などを設置し、作業者が完全に安全帯が使用できる状態にすることや、安全に作業が進められるように作業工程の策定などを行っておくことも肝要である。


一人親方あんしん労災 – バックホウのバケットに作業員が激突される

一人親方あんしん労災 – 激突されの労災事例

バックホウのバケットに作業員が激突される


発生状況

本件労働災害は、ビルの建設工事において掘削箇所に立ち入った作業員が、バックホウ(ドラグ・ショベル)のバケットに激突されたものである。

災害発生当日は、作業責任者がバックホウの運転手も兼任していた。責任者は測量機器が掘削箇所に落ちているから回収してきてくれと被災者に指示し、被災者が測量機器を回収し終えたところを見たため、本人に確認をとらずに掘削作業を再開した。

しかし、被災者は測量機器の小さな部品がまだ落ちていることに気づき、再び掘削箇所に戻っていった。責任者は被災者が再び掘削箇所に入ってきたことに気がつかなかったため、そのまま掘削作業を開始したため、バックホウのバケットが被災者に激突した。なお、掘削箇所に入るときの合図に関する打ち合わせは事前に行なわれていなかった。

原因・対策

本件労災は、作業者がバックホウの作業範囲内に立ち入る際の合図や物理的な措置が定められていなかったことと、運転者の死角などの具体的な予知がなされていなかったこと。さらに作業責任者と運転手を兼任させていたため指示が十分に施せなかったことが原因である。

このような事故を防ぐためには、バックホウの作業範囲内に立ち入らないような措置を設けるか、作業責任者と運転手は兼任せずに、監視人を配置するなどの工夫をすることである。また、作業範囲内に入る際には合図を決め、危険予知訓練を具体的に行うことが大切である。

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