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建築/建設業界の労災事例

本サイトで紹介している労災事例は、実際にあった労災事故を掲載しておりますが、当協会によせられた労災事例ではありません。予めご了承ください。

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一人親方あんしん労災 – バックホウでのつり上げていたU字溝が激突

一人親方あんしん労災 – 激突されの労災事例

バックホウでのつり上げていたU字溝が激突


発生状況

本件労働災害は、バックホウ(ドラグ・ショベル)でU字溝をつり上げて移動した際に、作業者1名に激突したものである。

事故発生当日、作業指揮者と作業員4名で道路の両側に側溝を作る工事をしていた。前日までに溝の掘削作業は終わっていたため、その日は朝からU字溝を設置する作業を行なっていた。まず作業者2名がU字溝を吊りビームに掛け、作業指揮者がバックホウの運転をして設置予定箇所に運ぶ。そして溝で待機をしていた被災者と作業員1名でU字溝を設置するという手順で作業を進めていた。

午前中の工事は順調に進み、計6個を設置した。午後の作業はU字溝の片側を一部切断して設置を行う必要があった。設置箇所が折れていたためである。午前中と同じ要領でバックホウにU字溝を掛けたのだが片側が切断して軽くなっているので、斜めにつり上げられた状態になってしまった。そのままバックホウで移動し設置箇所に着くと、反動でU字溝が180度回転した。そして、待機していた被災者に激突したのである。

原因・対策

本件労災はバックホウをつり上げ作業に使用したこと、U字溝が不安定な状態にも関わらずつり移動し、危険箇所に作業者を配置したまま作業を行なったことが原因で起きた災害である。

このような事故を防ぐためには、つり上げ作業には移動式クレーンを使用すること、つり上げたものが接触する恐れがある箇所に作業者を立ち入らせないことが重要である。


一人親方あんしん労災 – 原動機付きスクレイパーの修理中、落下したエプロンが作業者に激突

一人親方あんしん労災 – はさまれ、巻き込まれの労災事例

原動機付きスクレイパーの修理中、落下したエプロンが作業者に激突


発生状況

本件労働災害は、原動機付きスクレイパーを修理中にエプロンが落下して作業者1名が被災したものである。

事故現場には故障した部品の予備がなかったため、他の原因で故障していた同型機から部品を転用することとした。同型機をクレーンでつり上げ、定位置まで上がったらピンで固定し、エプロンシリンダーを取り外して交換を行うといった手順で作業を行おうとした。

事故は被災者がエプロンの固定ピンを差し込む作業を行った直後に発生した。被災者は定位置までつり上げられたことを確認し固定ピンを差し込もうとしたところ、ピンの差し込み部分とは逆のハンドル部分を間違えて差し込んだ。

つり上げ用ワイヤを緩めたところ、エプロンは動かなかったため固定されているものと思っていたが、重さに耐えきれなくなった固定ピンが壊れエプロンが落下。被災者に激突し跳ね飛ばされ、車体とエプロンアームに挟まれたのである。

原因・対策

本件労災は、固定ピンの間違った部分を差し込んだためにエプロンを固定するための強度が不十分だったことが原因で起きた災害である。使用した固定ピンは、ハンドル部分と差し込み部分が明確に区別されていなかった。また、作業台を使用せずにエプロンの修理作業をしたことも重要な原因である。

このような事故を防ぐために、固定ピンはハンドル部分と差し込み部分の構造を明確に区別し、正しく使用することである。また、今回のように落下する可能性がある作業においては作業台をしっかりと使用することも大切である。


一人親方あんしん労災 – プレス機の修理中に部品が外れ挟まれる

一人親方あんしん労災 – はさまれ、巻き込まれの労災事例

プレス機の修理中に部品が外れ挟まれる


発生状況

本件労働災害は、油圧による金属プレス機の修理を行なっているときに部品の一部が外れてしまい被災者が挟まれたものである。

このプレス機はピットにスクラップを入れて蓋をし、圧縮ブロックを平行に移動させることでスクラップを棒状にした後、刃物で立方体に切断するという流れで処理を行うものだった。油圧系統のフィルターにパッキンのかけらが付着するようになったため、修理することになった。

災害発生当日はロッドシールのパッキンを取り替える予定であった。そのためにはおよそ100kgのロッドシールをシリンダーから外す必要があったため、作業員3名で16本のボルトを取り始めた。ところがボルトの最後の1本を緩めたときに、ロッドシールから油が流れ出しそのままシール部分が落下した。被災者はフレーム等に囲まれていたため逃げることができず、シール部分に激突された。

原因・対策

本件労災は、前日に行ったピストン部分のパッキン交換の際に、シリンダーとロッドの間に油が入り込んだことに気づかず、知らぬ間にロッドの重みで油、シールに負荷がかかっていたことが原因として挙げられる。

このような災害の対策として、落下する可能性があるものには必ず安全ブロックを使用すること、また油圧や空気圧の残圧で機械が作動してしまうことを防ぐため、必ず残圧は解放することが挙げられる。さらに危険が発生した場合に備え、すぐに逃げられるほどの十分なスペースを確保することと、異常時の対策を事前に考えておくことも重要である。


一人親方あんしん労災 – 分電盤移設工事中にゴム手袋未着用で感電

一人親方あんしん労災 – 感電の労災事例

分電盤移設工事中にゴム手袋未着用で感電


発生状況

本件労働災害は、分電盤から伸びている活線の接続作業中に並行して行われた配線作業で、被災者が感電防止用のゴム手袋を着けずに電線の充電部に触れたことで発生したものである。

災害発生当日、被災者はもう1人の作業員とともに、分電盤から伸びる線と電源側から伸びてきている線を圧着端子(絶縁被覆付)で繋ぐ作業を担当した。接続箇所は高さ約3.5mで、作業はアルミ製の脚立を2つ用いて行われた。2人はそれぞれ脚立に登り、被災者は圧着機の加圧部を、もう1人は本体のレバーを持って作業に当たっていた。

分電盤側の圧着が完了したため、作業員は電源側ケーブルの絶縁テープを1つずつ剥がし芯線と圧着端子を接続した。その後露出させた接続部をテープで止める作業に移ったが、テープを巻きつけるため手袋を外したときに、誤って接続部に触れてしまい感電した。

もう一人の作業員は、被災者の叫び声で感電に気づき電線を開路した。被災者がはしごからずり落ちてくるところを別の作業員が確保し、心臓マッサージを施した。

原因・対策

本件労災の原因は、被災者が作業中に絶縁用のゴム手袋を外してしまったこと、電流が流れているのにも関わらず接続作業を行なったことが挙げられる。またこれらを防ぐような安全面に最大限配慮した作業計画を立てていなかったことも起因している。

このような災害の対策として、配線作業や接続作業を行うときにはなるべく停電することである。また作業中に電源を入れることのないよう現場を監視する人物を配置するか、看板等で表示することが重要である。


一人親方あんしん労災 – 掘削溝で作業中に杭打ち機が落下

一人親方あんしん労災 – 飛来、落下の労災事例

掘削溝で作業中に杭打ち機が落下


発生状況

本件労働災害は、下水管・マンホールの設置工事中に杭打ち機を乗せた架台が動いたことで、被災者が作業していた掘削溝に落下して被災者が挟まれたものである。下水管の新設予定地には既存の下水管が埋まっていたため、はじめに撤去作業が行われ、その後新たに設置することになった。

撤去後の作業手順は、ホイールクレーンを掘削溝付近に用意する→クレーンの主巻フックで杭打ち機を溝の側面に運ぶ→杭打ち機のチャックに鋼矢板を固定→主巻フックを杭打ち機に戻す→補巻フックでジェットパイプを鋼矢板の内部に入れる→作業員の1人が溝に入り、オームバンドを溶接するというものであった。

現場は周囲に塀があったため杭打ち機を持ち込んだことでかなり狭くなっており、さらに杭打ち機を乗せた架台は、本来よりも小さいものしか準備できなかった。鋼矢板の打ち込む場所を調整するため、被災者が杭打ち機のチャックを移動させたところ杭打ち機の重心が動き、その結果架台が移動し杭打ち機が溝に落下し被災者に激突した。

原因・対策

本件労災は、架台が今回使用された杭打ち機より少し小さかったこと、設置場所に十分な広さがなかったことが起因している。また杭打ち機が落下する可能性のある場所に被災者が立ち入ったことも原因として挙げられる。

このような災害の対策として、必ず定められた架台を使用すること、杭打ち機の重心が移動しないよう強く固定することが重要である。さらに重機の落下が考えられる場所には、作業員の立ち入りを禁止することが重要である。

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