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建築/建設業界の労災事例

本サイトで紹介している労災事例は、実際にあった労災事故を掲載しておりますが、当協会によせられた労災事例ではありません。予めご了承ください。

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一人親方あんしん労災 – バックホウでのつり上げ作業中、川に転落

一人親方あんしん労災 - 墜落、転落の労災事例

バックホウでのつり上げ作業中、川に転落


発生状況

本件労働災害は、河川護岸工事現場においてバックホウ(ドラグ・ショベル)が川に転落したものである。

災害発生当日、悪天候により川の水位が上昇したため、仮締切堤上に敷いてあった15枚の鉄板を撤去する作業を行っていた。作業員は3名でワイヤロープを鉄板に玉掛けする作業、バックホウの運転、トラックで鉄板の運搬作業を分担した。被災者はバックホウの運転を担っていた。作業は順調に進み11枚目の撤去に差し掛かったが、その鉄板は泥が付着していたため、被災者は河川の水で洗い流すことを試みた。バックホウの上部旋回体を90度旋回させて鉄板を水中に下ろそうとした際に、機体が傾きそのまま河川に転落した。

原因・対策

本件労災は、車両系建設機械の作業計画が明確に定められておらず、適正以外の用途で使用したことが原因で起きた災害である。また、旋回速度が通常より早かったため、転倒モーメントが大きくなってしまっていたことも要因の一つである。

このような事故を防ぐために、車両系建設機械を用いて作業をするときは作業方法や運行経路などを明確にした作業計画を定め、作業者が内容をしっかりと理解した状態で工事を行うことが大切である。また、止むを得ずバックホウでつり上げ作業をする場合には、適切な機器を取り付けた上で、最大の荷重を超えたものはつり上げないことである。


一人親方あんしん労災 – 丸太足場が強風で崩壊し、作業者3名が墜落

一人親方あんしん労災 – 崩壊、倒壊の労災事例

丸太足場が強風で崩壊し、作業者3名が墜落


発生状況

本件労働災害は、ビルの屋上に設置された広告塔の塗装作業時に、足場が強風により倒壊して作業者3名が墜落したものである。

事故発生当日は風速10~15m/秒と風が強い日であった。工事は作業者3名が看板文字を広告塔に取り付ける作業だった。使用した足場は作業床がなく、水平に渡されている丸太に足を掛けるタイプの一側足場を利用した。作業者3名が看板文字をロープで足場上につり上げていた時、突風により丸太足場のつなぎ部分が変形し、倒壊した。そのまま3名が墜落し、屋上の床に叩きつけられたものである。

原因・対策

本件労災は、強風の日に高所作業を行ったこと、足場の構造に問題があり塗装用のネットが風を受けたことで起きた災害である。

このような事故を防ぐために、強風の場合は高所作業を中止してシートなどを取り外すこと、足場の設置に関してしっかりとした組立図を作成することが重要である。具体的には、風の影響を考えた強度計算を行う張り出し足場の張り出し材を水平で丈夫なものにすることを記すなどである。また、高所作業を行う際は原則として本足場を設置するが、やむを得ない場合は作業者に安全帯を使用させることが必要である。


一人親方あんしん労災 – 天井裏の鉄骨と収納台の間に挟まれる

一人親方あんしん労災 – はさまれ、巻き込まれの労災事例

天井裏の鉄骨と収納台の間に挟まれる


発生状況

本件労働災害は、天井裏に張られた電線を点検する作業中に発生したものである。現場の天井にはビデオプロジェクターを置くための収納台が天井裏の鉄骨からワイヤーロープでつり上げられていた。これは通常天井にしまわれていて、使用する際にはモーターで床まで下ろすことができるというものだった。

天井裏にある幹線を点検する際に、被災者はこのビデオプロジェクターを収納する台の上に乗って、他の作業員に無線機で別室の操作盤を上昇させるよう頼んだ。このとき使用していた無線機は1回につき3分で切れるシステムで、残り10秒になると警報音が鳴るようになっていた。

この警報音が鳴ったため収納台を上昇させていた作業員が被災者に「まだ上げていいか」と確認したところ「あと少し上げて欲しい」と返事があったので「あと5秒間上げる」と伝えようとしたがそこで無線が切れてしまった。作業員は5秒間上昇させたのち無線機で被災者と連絡を取ろうとしたが返事がなく、現場に向かうと被災者は天井裏の鉄骨と収納台に挟まれていた。

原因・対策

本件労災の原因はビデオプロジェクターの収納台で天井と床を行き来したことと、安全を考慮した作業計画が十分に立てられていなかったことが挙げられる。

このような災害の対策として、天井裏で作業する場合は安全に上り下りできるローリングタワーなどの装置を用いること、天井裏へ通じる専用の開口部を使用することが挙げられる。また、現場監督などの責任者は業務に適した安全な作業計画を定める必要がある。


一人親方あんしん労災 – 作業者1名がバックホウのサイドガラス窓枠とブームに挟まれる

一人親方あんしん労災 – はさまれ、巻き込まれの労災事例

作業者1名がバックホウのサイドガラス窓枠とブームに挟まれる


発生状況

本件労働災害は、バックホウ(ドラグ・ショベル)のブームとサイドガラスの窓枠に挟まれて被災したものである。

事故発生当日の工事は順調に終わったため、被災者はトラックを所定の位置に運転した後、バックホウを片付ける作業を始めた。その日使用したバックホウはサイドガラスが破損してガラスが無い状態だった。被災者は移動作業をしている途中、先ほど駐車したトラックのサイドミラーと接触しそうになったため、ミラーを倒すためにバックホウのサイドガラス窓枠から身を乗り出した。すると足がブーム操作レバーにぶつかってブームが降下し、そのまま窓枠の間に挟まれ被災した。

なお、このバックホウは窓ガラスの破損を指摘されていたが、修理されずに工事に使用されていた。また、被災者が指示されていたのはトラックの移動作業のみあり、バックホウの運転は他の作業者が担当していた。

原因・対策

本件労災は、サイドガラスが破損した状態のバックホウを使用したことと、ブーム操作用レバーをロックせずに運転以外の作業を行ったことが原因で起きた災害である。また、バックホウの運転資格がないにも関わらず、被災者が独断で操縦したことも要因の1つである。

このような事故を防ぐためには、特定自主検査で修理が指示されている機械は修理が終わってから使用することにくわえ、建設機械を操縦中に運転以外の作業を行う際はエンジンを停止し、機械から降りてから行うことが重要である。また、使用しない各種装置は備え付けのロック機能を有効に使用し、それらを知らない無資格者には操縦させないことである。


一人親方あんしん労災 – 荷物の積み込み作業中にホイールクレーンが転倒

一人親方あんしん労災 – 崩壊、倒壊の労災事例

荷物の積み込み作業中にホイールクレーンが転倒


発生状況

本件労働災害は、積み込み作業に使用していたホイールクレーンが右旋回時に転倒したものである。

事故発生当日、作業現場は幅4.8メートルのアスファルトの道路上であった。そのため、ホイールクレーンのアウトリガーは最大張り出しでは使用できず、幅4メートルの中間張り出しで使用せざるを得ない状況だった。使用したクレーンは、側面領域の最大荷重が5.5トンのもので、まず仮置きしてあった発電機(5.5トン)をトラックへの積み込む作業を行った。そのあと、加振器(5.8トン)とそれの備品(0.3トン)の積み込みを一度に行うことを試みた。これら2つをワイヤロープで玉掛けし、巻き上げながら右旋回をした際、最大荷重を超えた重量に耐えきれなくなったクレーンが転倒した。この時、運転手はアクセルを過剰に踏み込んでしまっていたため、旋回速度も通常より早い状態だった。

原因・対策

本件労災は、過負荷防止装置が故障していたため、最大荷重を超えた物をつってしまったこと、旋回速度が早いことによる遠心力でバランスを崩したことが原因で起きた災害である。

このような災害を防ぐためには、作業開始前には必ず過負荷防止装置の点検を行い、作業者に対してクレーンの運転操作の指導を徹底することが重要である。また、作業現場に応じたクレーンの選択し、アウトリガー張り出しに必要な範囲を十分に確保できる現場で作業することも大切である。

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