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建築/建設業界の労災事例

本サイトで紹介している労災事例は、実際にあった労災事故を掲載しておりますが、当協会によせられた労災事例ではありません。予めご了承ください。

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一人親方あんしん労災 – フォークリフトが逸走し作業者1名に激突

一人親方あんしん労災 – 激突されの労災事例

フォークリフトが逸走し作業者1名に激突


発生状況

本件労働災害は、ビルの新築工事現場において、地下駐車場の入り口付近に駐車していたフォークリフトが逸走し、作業者1名に激突したものである。

災害発生当日は、作業員7名で内装工事と残材の片付けなどを行なっていた。前日に引き続き作業指示者がフォークリフトで残材を運び、他の作業員はそれらをトラックに手作業で積み込む作業と通路にセンターラインを引く作業を分担して行なっていた。

作業は順調に進み、荷物の運搬を終えた作業指示者は、次に内装工事で使用する材料を運ぶことにした。これはタイルとセメントをパレットに載せ、フォークリフトで通路上に運ぶものである。ある程度作業を進めた作業指示者は、全体の進行を把握するために一度フォークリフトを駐車し、積荷作業の様子を見に行った。駐車した場所は勾配4度の地上出入り口付近で、エンジンは切っていたがサイドブレーキは引いていなかった。被災者はこの時、センターラインを引く作業を担っていた。しばらくすると、フォークリフトが動き出し、傾斜を走って被災者に激突した。

原因・対策

本件労災は、フォークリフトを傾斜があるところに駐車したにも関わらず、サイドブレーキを引かなかったこと、運搬と並行してセンターラインを引く作業を行なっていたことが原因で起きた災害である。

このような事故を防ぐためには、フォークリフトは平坦な場所に駐車し、エンジンを切ってサイドブレーキを引くということを徹底することが重要である。また、重機の運転が行われている付近で他の作業が行われている場合は、作業間の連絡を密にとることも必要である。


一人親方あんしん労災 – 張り出し足場の設置作業中、作業者1名が墜落

一人親方あんしん労災 – 墜落、転落の労災事例

張り出し足場の設置作業中、作業者1名が墜落


発生状況

本件労働災害は、2階建て住宅の新築工事において作業者1名が張り出し足場に乗ったところ、固定金具が外れて落下したものである。

事故発生当日は、責任者を含めた作業者4名で工事を行っていた。まずは全員で2階まで必要な道具や木材を運んだあと、責任者は足場の組み立て作業を被災者に依頼した。このとき他の作業者は野地板を設置する作業を行っていたため、足場の設置は被災者1名で行うこととなった。今回使用したものはコーナー用スライド式足場で、柱に金具を固定した後に板をゴムバンドで取り付けるものだった。被災者が金具を柱に取り付けた後、次の板を固定するために足場板に乗ったところ、金具が外れて5.3メートル下の地面に落下したものである。

なお、被災者は作業中、安全帯を使用していなかったほか、金具取り付け時に2方向からネジで締め付けなければならないが1方向からしか固定できない不良品を使用していた。責任者は足場組み立ての作業主任者技能講習を終了していた。

原因・対策

本件労災は、墜落の危険がある場所に安全帯を使用せずに不適切な作業板を設置しようとしたこと、責任者が不良機材の点検をしっかりと行なっていなかったことが原因で起きた災害である。また、柱と足場金具の取り付け状況を確認せずに足場に乗ったことも要因といえる。

このような事故を防ぐためには、適切な作業板を墜落の危険を防止しながら設置することが重要である。安全帯を使用する、防網を張る、金具と柱の固定状況を確認しながら作業を進めるなどを徹底することでこのような事故を防ぐことができる。


一人親方あんしん労災 – 建込簡易土留の設置作業中、作業者が土砂の下敷きに

一人親方あんしん労災 – 崩壊、倒壊の労災事例

建込簡易土留の設置作業中、作業者が土砂の下敷きに


発生状況

本件労働災害は、建込簡易土留の埋設工事中に土砂が崩れ作業者1名が下敷きとなったものである。

事故発生当日の工事は作業員3名で行い、掘削作業のあとに建込簡易土留と下水道管の設置をするものであった。なお、支保工作業主任者は本工事に居合わせていなかった。掘削作業が順調に進んだため、作業者1名はバックホウ(ドラグ・ショベル)を運転し、建込簡易土留をトラックから降ろす作業を行なった。被災者は溝の中で待機し運ばれてきた土留をワイヤから外す作業を担っていた。1枚目の設置が終わり、2枚目の設置に移る際、周囲の土砂が崩れたため、すぐに作業員は被災者に声をかけ回避を促した。しかし建込簡易土留も共に崩れてきたので回避をすることができなかった。結果的に被災者が下敷きになったものである。

原因・対策

本件労災は、掘削作業場所の調査が不十分であったこと、正しい建込簡易土留の設置方法を実施していなかったことが原因で起きた災害である。また当日支保工作業主任者が居合わせておらず、被災者は作業が終了する前に溝の中に入るという誤った手順を踏んでしまっていたことにも起因している。

このような事故を防ぐためには作業箇所の地質調査を事前に十分行い、支保工作業主任者の指導のもとで正しい手順で作業を行うことが大切である。建込簡易土留の設置は掘削を行いながら沈めていくものなので、工事途中に作業員を溝の中に待機させてはいけない。


一人親方あんしん労災 – ALC板の仮留め中にワイヤがスリップし、作業員1名に激突

一人親方あんしん労災 – 激突されの労災事例

ALC板の仮留め中にワイヤがスリップし、作業員1名に激突


発生状況

本件労働災害は、5階建マンションの新築工事において、つり上げていたALC板が作業員1名に激突したものである。

事故発生当日の工事は、現場代理人を含めた作業員5名で下地金具の溶接、鉄筋で固定作業、ALC板のモルタル、建て込み、仮留めなどの作業を分担して行なっていた。事前にコンクリートスラブの打ち込み作業は終わっていたためその日は高さ2.8メートル、重さ80キロのALC板を2階部分に取り付ける作業から取り掛かった。

被災者は単管上に立ち、布製のつり具でつり上げられたALC板を仮留めする作業を担っていた。9枚目の取り付け作業に差し掛かり、手順通り吊り上げ作業を行なっていた際に滑車をかけていたワイヤロープが単管上を大きくスリップし、板が被災者に激突した。その結果、跳ね飛ばされた被災者はALC板と鉄骨柱に挟まれる形となり被災したものである。

原因・対策

本件労災は、作業員を誤った位置に配置した状態でつり上げ作業を行ったことと、十分なスペースを確保していないまま作業を進めたことが原因で起きた事故である。

このような事故を防ぐためには、ALC板が唐突に動かないような作業計画を練ることや、仮留め作業は十分な足場を確保した上で行うことが大切である。小型のウィンチを使用してつり上げる際には、滑車にかけているワイヤロープを単管に固定するなどの準備を行うことで、今回のような不慮な事故を未然に防ぐことができる。


一人親方あんしん労災 – 吊り上げた梁がローリングタワーに衝突し落下

一人親方あんしん労災 – 墜落、転落の労災事例

吊り上げた梁がローリングタワーに衝突し落下


発生状況

本件労働災害は、解体するビルのつなぎ梁を撤去する作業中に、トラッククレーンで吊り上げた梁が被災者のいるローリングタワーに激突し、被災者が地上に落下したものである。

つなぎ梁の撤去作業はローリングタワーの上に登り、梁の片側上部を残して溶断装置で切断する→トラッククレーンのフックについたワイヤーロープで玉掛けする→残していた梁を完全に溶断する→先に切断した方の梁の残りを溶断する→梁を吊り上げて地上まで下ろす、という手順で行われた。

被災者はローリングタワーの上で玉掛けを行い、つなぎ梁の一方を完全に切断した後もう一方の梁の切断作業を始めた。しかし切断が完了した直後、トラッククレーンの運転手が被災者の合図を確認することなくクレーンのブームを動かしたため、クレーンに吊り上げられた梁が大きく揺れローリングタワーに衝突した。その結果被災者はガス溶断装置を手に持ったままおよそ5m下の地面に落下した。

事故後の調査で、現場のローリングタワーは落下防止のための安全対策がされていなかったことが明らかになった。また被災者は労働安全衛生における資格を一切取得していなかったことも判明した。

原因・対策

本件労災の原因は、高所の足場であるにも関わらず墜落を防ぐ対策がなされていなかったことと、クレーンの運転手が合図を待たずに操作したことが挙げられる。さらに梁の溶断や玉掛けを、専門の資格を持たない者に行わせたことも起因している。

このような災害の対策として、ローリングタワーには手すりの設置や安全帯の取り付けなど安全対策を行うことや、クレーンの運転は他の作業員の合図を受けてから実施することが挙げられる。またガス溶断や玉掛けなど資格の必要な作業は、必ず有資格者に行わせることが重要である。

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