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建築/建設業界の労災事例

本サイトで紹介している労災事例は、実際にあった労災事故を掲載しておりますが、当協会によせられた労災事例ではありません。予めご了承ください。

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一人親方あんしん労災 – 高所作業中に歩み板から足を滑らせ墜落

一人親方あんしん労災 – 墜落、転落の労災事例

高所作業中に歩み板から足を滑らせ墜落


発生状況

本件労働災害は、木造家屋の基礎工事が終了し、柱や梁を組み立てる建前工事に移行したときに発生した。現場ではまず移動式クレーンで妻梁に軒桁を配置し、その後ぴったりとはめるため木槌を打つという方法で桁組作業を行うことになっていた。

被災者は妻梁と軒桁の間に幅23㎝の歩み板を架け、その上に乗って木槌でつなぎ目を打ち付ける作業を担当していた。はめ込む部分が足元近くであるため不安定な中腰姿勢で打ち込みを行なっていたところ、力を入れすぎたことでバランスを崩し転落してしまった。

事故後の調査で、被災者は高さおよそ8mの場所で作業していたにもかかわらず、親綱の取り付け、安全帯の装備といった落下を防ぐ安全対策を怠っていたことが判明した。さらに事故発生の直前まで他の作業員数人と飲酒していたことも明らかになった。

原因・対策

本件労災の原因は、危険な作業のひとつである建前工事の直前に飲酒してしまったこと、高所で作業する際の安全対策がなされていなかったことが挙げられる。また幅の狭い歩み板で長時間作業したことや、現場を指揮する主任者の管理が甘かったことも起因している。

このような災害の対策として、主任者は作業員に対し工事前・工事中の飲酒を徹底的に禁じ、また不安定な場所では長時間作業させないよう常に目を配る必要がある。さらに足場の設置が難しい高所の現場では、必ず安全帯と親綱の設置、保護帽の着用といった落下を防ぐ安全対策を行うことが重要である。


一人親方あんしん労災 – ブルドーザー運転中に車体が横転、斜面を落下

一人親方あんしん労災 – 墜落、転落の労災事例

ブルドーザー運転中に車体が横転、斜面を滑落


発生状況

本件労働災害は、ブルドーザーでかきおこした山の土砂をドラグ・ショベルでダンプカーに積載し、作業場所まで運ぶという作業中に発生した。掘削した山はかなりの急勾配であり重機を多く用いることも踏まえ、現場には車両を通行させるために頂上から整備された迂回路を用意していた。

被災者はブルドーザーで山の土砂をかきおこしていたが、途中で燃料が切れ車両の動きが止まったことから、作業を中断して給油車を山のふもとまで呼び出した。到着後、被災者はまず歩いて給油車のもとへ行き、少量の燃料を調達しブルドーザーに入れてから、さらに燃料を補給するためブルドーザーを運転してふもとまで降りることにした。

ブルドーザーでふもとに向かう際、より運転する距離を短くしたいと考えた被災者は、車両専用の迂回路ではなく急斜面の山を真っ直ぐ下ることにした。このとき排土板で道をならしながら山を下っていたが、途中で突き出した岩に乗り上げてしまい、車体は横転し山道を滑りながら転落した。

原因・対策

本件労災の原因は、迂回路を通らず危険な斜面を下ったことと、岩の存在を知らせるといった安全を確認する作業員が周囲にいなかったことが挙げられる。

このような災害の対策として、重機を運転するときには安全を第一に優先し危険な道は通らないことや、作業場所の安全を確認する常駐者を置くことが挙げられる。さらに作業途中に燃料切れを起こさないよう、運転前に必ず点検を実施する必要がある。


一人親方あんしん労災 – ダンプカーの故障で降下した荷台の下敷きに

一人親方あんしん労災 – はさまれ、巻き込まれの労災事例

ダンプカーの故障で降下した荷台の下敷きに


発生状況

本件労働災害は家屋建設の現場で、ダンプカーの荷台を傾けながら積載された土砂を降ろし、運搬用の一輪車で工事現場まで持ち込むという作業中に発生したものである。

ダンプカーの荷台の上にいた被災者は、荷台を上昇・降下させる油圧装置が故障していることに気づき、使用していた部材を挟んで支えにしようと荷台と車体の間に入り込んだ。この時故障が原因で少しずつ荷台が降下していたが、被災者は気づいていなかった。

別の作業員が一輪車を押してダンプカーの前まで来た時には、荷台は完全に下がりきっていた。作業員は被災者が荷台の上にいなかったことから自ら車両を操作し荷台を上昇させた。すると上に積んでいた土砂の落ちる音がしたため、慌てて元の位置に戻した。その後、被災者が荷台の下敷きになっているのを発見した。

事故後の調査によると使用していたダンプカーは故障が原因で、荷台が5分間でおよそ1m降下してしまうものであったことが判明した。

原因・対策

本件労災の原因は、故障したダンプカーを使って作業したことと、荷台の下に入るときに安全ブロックを取り付けなかったことが挙げられる。また、現場の広さを鑑みずに大きな重機を用いたことで、荷台を傾けながら土砂を運ぶといった作業方法になってしまったことも起因している。

このような災害の対策として、重機を使う前に必ず点検し故障に気づいたら直ちに使用を中止すること、作業計画を立てるときは無理なく作業員の安全を確保した方法をとることが挙げられる。


一人親方あんしん労災 – 作業者1名がバックホウ(ドラグ・ショベル)にひかれるの労災事例

一人親方あんしん労災 – はさまれ、巻き込まれの労災事例

作業者1名がバックホウ(ドラグ・ショベル)にひかれる


発生状況

本件労働災害は、配水施設の設置工事において、作業者1名がバックホウにひかれたものである。

事故発生当日は、作業員7名でバックホウの運転・掘削、目地塗り、掘削補助、材料の運搬など作業を分担して工事を進めた。その日の作業は順調に進んだため、夕方頃にはバックホウで整地に取り掛かっていた。

作業時間がまもなく終了する頃に、運転者はバックホウのエンジンをかけたまま操縦席から工事区域全体の見渡しを行なった。その際、被災者は後片付けをするために工具等を運びながらバックホウに近づき、空いていた運転席の下に荷物を置こうとした。

すると用具の1つが前後進操作用のペダルに乗ってしまい、重機は被災者がいる方向に急回転した。運転手は重機を停止させようとしたが、間に合わずに被災者がひかれたものである。

原因・対策

本件労災はバックホウのエンジンがかかっているにも関わらず運転手がサイドブレーキをかけずに見渡しを行い、その際に被災者を重機に近づかせたことが原因で起きた災害である。また荷物を置く際に細心の注意を払うべきである、前後進操作用のペダルに用具を触れさせてしまったことも要因の一つと言える。

このような災害を防ぐために、作業指揮者は運転中の重機の危険箇所へ作業者を立ち入らせないことなどの安全指導を事前に十分行うことが大切である。運転手は一時停止をする際に重機の不意な動作を防ぐようにサイドブレーキをかけたり、エンジンを止めたりすることがとても重要である。


一人親方あんしん労災 – 2階建事務所の解体中に床を踏み抜き、落下の労災事例

一人親方あんしん労災 – 墜落、転落の労災事例

2階建事務所の解体中に床を踏み抜き、落下


発生状況

本件労働災害は、2階建て事務所の解体工事現場において、作業者1名が床を踏み抜き、3メートルほど落下したものである。

作業内容は建物内の家具の処分、鉄骨の切断と部屋の仕切りを撤去するものであった。作業者は全体で6名おり、現場責任者は設けられず、社長も細かな指示を出すことなく業務に取り掛かった。さらに現場作業者全員が解体工事の経験が浅く、鉄骨組み立ての資格を持つ者もいない状況だった。

事故発生当日は朝から作業を開始し、被災者は2階の畳の撤去作業から取り掛かっていた。床板に足を踏み入れたときに床が抜け、3メートルほど落下してコンクリート製の地面に叩きつけられた。なお、被災者が踏み抜いた床板は、前日の作業でできた開口部に面しており、他にもそのような床板が存在した。

原因・対策

本件労災は、現場に解体作業を熟知している作業者がいない状況の中で、現場責任者がおらず、細かな作業の手順も設けられなかったことが原因で起きた災害である。そのため、床板の老朽化や開口部の状況などを把握することができず、作業者が被害を負ったこととなってしまった。

このような災害を防ぐためには、鉄骨組み立ての作業主任者等の資格を取得した者を作業責任者として配置し、直接指揮をとることができる状況を整えることが大切である。そして、作業責任者による安全教育の下、建物の構造の調査や工具の点検、前日作業の引き継ぎなどを行うことがとても重要である。

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