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建築/建設業界の労災事例

本サイトで紹介している労災事例は、実際にあった労災事故を掲載しておりますが、当協会によせられた労災事例ではありません。予めご了承ください。

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一人親方あんしん労災 – タイヤの破裂でサイドリングが飛来

一人親方あんしん労災 – 破裂の労災事例

タイヤの破裂でサイドリングが飛来


発生状況

本件労働災害は、タイヤの空気充てん作業中に発生したものである。現場は事務所に付設された作業場で、被災者は作業員2名と共に所有する5台のトラックをスタッドレスタイヤに交換する作業を行うことになっていた。

作業員2名はタイヤの解体を、被災者はスタッドレスタイヤの組み立てを行うことになった。交換していたに関してはタイヤ、ホイール、セットには全てサイドリングが取り付けられた一般的なものであった。

被災者の作業は、タイヤにチューブを入れる→フラップを巻きリムにセッティング→サイドリングを取り付ける→ゲージ圧9kg /㎠~11kg /㎠の空気圧縮機でタイヤに所定圧力(7kg /㎠~7.5kg /㎠)の空気充てんを行うという手順で行われた。

作業中に被災者が「リングが合いません」と報告したため作業員が確認しようとしたところ、すぐに大きな音とともにタイヤチューブが破裂した。これによりはじけ飛んだサイドリングが当たり被災者は倒れ込んでしまった。

原因・対策

本件労災の原因は、サイドリングとリムが噛み合っているか確認しないまま空気を入れたことや、サイドリングの飛来を防ぐため安全囲いや安全バーを取り付けるといった対策が取られていなかったことが挙げられる。また空気圧縮機に圧力調整装置を取り付けていなかったことも起因している。

このような災害の対策として、タイヤに空気を充てんさせる際にはサイドリングの飛来防止装置を設置するようにすることや、減圧弁などの圧力調整装置を空気圧縮機に取り付け空気圧の調整を行うことが重要である。また作業の危険性を十分考慮し安全に配慮しながら手順を進める必要がある。


一人親方あんしん労災 – 作業員1名がベルトコンベアーに巻き込まれる

一人親方あんしん労災 - はさまれ、巻き込まれの労災事例

作業員1名がベルトコンベアーに巻き込まれる


発生状況

本件労働災害は、ベルトコンベアーのメンテナンス中に作業者1名がベルトとベルトプーリーに挟まれ、被災したものである。

事故発生当日、ダムの工事現場において所長と作業員2名はベルトコンベアーの点検作業を担っていた。まず機械を停止させて被災者を含む作業員2名で点検を行ったところ、テンション部分に砂が付着していることを確認した。そこで2人はレーキを用いて砂を払いおとす作業を行い、作業者1名はコンベアーを作動させるため捜査室に戻った。被災者は第2コンベアーの方も気になったので独断でそちらの砂落としを始めたところ、レーキがベルトとベルトプーリーに巻き込まれてその付近に投げ出された。

被災者が操作室に戻ってこないので不審に思った所長が探しに行ったところ、コンベアーのつなぎ目部分に倒れていることが確認された。

原因・対策

本件労災はプーリーやベルト部分などの危険箇所に接触防止のカバーが設けられていなかったことや、作業標準が作業者に徹底して周知されていなかったことが原因で起きた災害である。

このような災害を防ぐために、原則として点検や調整作業は機械を停止させて行うが、ベルトコンベアーの砂落とし作業のように稼働中に行った方が効果が上がる場合はプーリーやベルトなどには接触防止カバーを設けることが重要である。また、作業標準を作業員に徹底して認知させ、それに従った手順を踏むことも大切である。


一人親方あんしん労災 – コンクリート製の建造物内で一酸化炭素中毒

一人親方あんしん労災 – 有害物等との接触の労災事例

コンクリート製の建造物内で一酸化炭素中毒


発生状況

本件労働災害は、練炭から発生した一酸化炭素が原因で発生したものである。作業場所はマンホール(直径60㎝)の1つついた内容積およそ7.2㎥の建造物で、型枠の解体作業を行なっていた。

この建造物は減圧弁室で、飲用水管の埋設に必要な水圧調整弁を設置するためのものである。外寸寸法では縦1.8m、横2.8m、高さ2.3mの直方体でほぼ密閉式な場所であった。

災害発生当日、減圧弁室内部の型枠解体と同室埋設作業を開始しようとしたが、コンクリートを養生させるため3日前に入れた練炭の香りが強く残っていたため、作業員らは一度撤退しマンホールを開け換気を試みた。

数10分後、作業指揮者は減圧弁室下部の型枠を外し内部の換気をした後に減圧弁室内の型枠解体を行おうと考え、被災者に対し下部の配管用の穴の型枠を取り外すよう指示を出した。

被災者は指示通りに作業を開始したが、しばらくしてその場に倒れ込んでしまった。その後の調査で被災者は一酸化炭素中毒でとれていたことがわかり、災害発生前に型枠解体を無事に終わらすことのできた減圧弁室は、練炭が燃え尽きて1週間経過していたことが明らかになった。

原因・対策

本件労災の原因は、一酸化炭素を完全に除去することなく作業を開始させたことや、被災者が一酸化炭素について詳しく把握していなかったことが挙げられる。

このような災害の対策として、作業を開始する前に現場の一酸化炭素を除去するよう徹底することや、作業員に対する労働衛生教育を十分に行うことが重要である。


一人親方あんしん労災 – ドラグ・ショベルを荷の吊り上げに使用し資材が落下

一人親方あんしん労災 – 飛来、落下の労災事例

ドラグ・ショベルを荷の吊り上げに使用し資材が落下


発生状況

本件労働災害は、建設現場の土を事務所付近の残土置き場まで運搬するため、残土置き場にあったU字溝を塞ぐ鉄板を資材置き場から運ぶ作業でトラックの荷台から鉄板(1.2m×2.8m・700kg)を下ろす際に発生したものである。

被災者は総重量20t・バケット容量0.4〜1.2㎥のドラグ・ショベルのバケット背面にあるフックにワイヤーロープで鉄板を玉掛けを行なった。このワイヤーロープは長さ300cm・直径1.0cmで両端を圧縮止めしており、ワイヤーロープの端をバケットのフックに掛け、もう一端を鉄板にあけた穴にねじ込み式のシャックルをつないでいた。

この作業が完了したため別の作業員が運転席で操作しブームを回転させたところ、鉄板が大きく揺れだした。被災者が揺れを抑えようと鉄板に近づいた瞬間、シャックルのピンが外れ鉄板が落下し被災者の頭に直撃した。その後の調査でこの作業は事前に打ち合わせ等はされずその場で決定したものであったことが判明した。

原因・対策

本件労災の原因は、ドラグ・ショベルを本来とは異なる用途に用いたことと、ドラグ・ショベルで吊り上げた資材の近くに被災者が立ち入ったことが挙げられる。またあらかじめ作業手順を確認することなく当日現場で決定したことも起因している。

このような災害の対策として、建設機械は本来の使用目的と異なる作業では用いないことや資材を吊り上げているときは作業員が近づかないよう看板や監視役をつけるといったこと工夫をすることが挙げられる。また作業手順は当日その場で決めるのではなく事前に安全性に考慮しながら検討する必要がある。


一人親方あんしん労災 – ドラグ・ショベルの積み込みに失敗し転倒

一人親方あんしん労災 – 転倒の労災事例

ドラグ・ショベルの積み込みに失敗し転倒


発生状況

本件労働災害は、商店の増築工事の一環として重機作業を行っている際に発生したものである。災害発生時は増築箇所の基礎を埋め戻す作業を実施していた。

具体的には、敷地内の砂を作業場所付近まで大型ドラグ・ショベルを用いて運搬→小型ドラグ・ショベルで基礎部分に砂を運ぶ→スコップで砂ならしをするという作業手順を予定していた。

現場の指揮は元請けの現場監督が行なっていたが、午後から別の用事があり現場から離れた状態で作業を続けることになった。しばらくして大小2台のドラグ・ショベルを片付けることになり、大型のドラグ・ショベルは別業者のトレーラーによって運搬された。小型ショベルに関してはダンプに積み込むことになった。

被災者は現場には道坂が用意されていたが、これを使わずに作業することにした。爪を荷台にかけアームを曲げて車体を上げる→前進しクローラをダンプの荷台後方にかける→旋回体を180°旋回させる→バケットを地に立ててアームを伸ばし車体が水平になるよう車体後部を上げる→前進し車体をダンプの荷台に乗せるという手順で行うことにした。

しかし旋回体を回す際に、運転席の前後方向がドラグ・ショベルの進行方向と90°異なる位置で、被災者は運転席の開いていたドアから地上に転落した。ドラグ・ショベルも後方に転倒し被災者はドラグ・ショベルの下敷きになってしまった。

原因・対策

本件労災の原因は、道坂が現場にあったにも関わらず被災者が使用しなかったことや、現場監督が不在で道坂の使用を徹底していなかったことなどが挙げられる。

このような災害の対策として、建設機械の積み込みには道坂を使うことや元請けは下請けに対し徹底した指導を行うことが重要である。

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