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建築/建設業界の労災事例

本サイトで紹介している労災事例は、実際にあった労災事故を掲載しておりますが、当協会によせられた労災事例ではありません。予めご了承ください。

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一人親方あんしん労災 – 橋の上で作業中の車両積載型トラッククレーンがバランスを崩し落下

一人親方あんしん労災 – 墜落、転落の労災事例

橋の上で作業中の車両積載型トラッククレーンがバランスを崩し落下


発生状況

本件労働災害は、老朽化した橋の欄干を交換し床板を補強する工事中に発生したものである。資材の運搬には2トン積み(クレーンの定格荷重2.50t)の車両積載形トラッククレーンを用いることにしていた。

当日は資材置き場にあったコンパネ70枚を橋の下まで運搬することになり、ここでは車両積載形トラッククレーンにコンパネを載せ橋の上まで移動し、そこからクレーンで橋の下に資材を下ろすという方法をとることにした。トラッククレーンの操作は被災者が行い、同僚が荷ぶれを押さえることにした。

橋の上に到着した被災者はトラッククレーンを歩道と車道の間にまたがるように仮設されていた欄干に横付けし、アウトリガーを設置した。コンパネは70枚で1つに束ね計1tほどになり、これを4点吊りで玉掛けした。

そのままコンパネを吊りブームを伸ばし橋の欄干上方まで旋回したとき、トラッククレーンが欄干側に傾きはじめた。この状態から荷の移動で負荷がかかり車両はバランスを崩し橋の下へ落下した。被災者と同僚はトラッククレーンと欄干に挟まれた状態で、車両と共に橋の下に転落してしまった。

災害発生時のブーム傾斜角はおよそ50°で作業半径は約4m、定格荷重は0.8t程度であった。

原因・対策

本件労災の原因は、定格荷重以上の負荷をクレーンで吊ろうとしたことや、定格荷重と資材の重さを検討せずに作業を実行したことが挙げられる。

このような災害の対策として、一度にまとめて運ぶのではなく作業開始前に吊り荷と定格荷重の検討を行うことが重要である。


一人親方あんしん労災 -トラクタショベルのバケットが激突

一人親方あんしん労災 - 激突されの労災事例

トラクタショベルのバケットが激突


発生状況

本件労働災害は、坂を登り切ったトラクタショベルが平坦な道に出るときに、バケットが降下して作業者に激突したものである。

事故発生当日、現場責任者と作業者4名で道路の舗装工事を行なっていた。まずトラクタショベルを坂の上の空き地に移動するため、運転手と誘導者を選任した。また、道路を傷つけないようにするために古タイヤを路面に敷く作業に被災者を指名した。運転手は誘導者の指示に従い、トラクタショベルを操縦し坂を登っていった。そして、平坦な道にクローラが差し掛かる直前、被災者は古タイヤをクローラの下に敷くためにトラクタショベルの前に入り込み、作業を行おうとした。しかし、トラクタショベルの運転手は作業者の動きを確認することができていなかったためそのまま平坦な道に乗り上げたところ、バケットが下がり被災者に激突した。

原因・対策

本件労災は、斜面を走行していたため車体の前方が上がり、それが影になって誘導者と作業者を確認できなかったことや、誘導者が作業者の動きを把握できていなかったことが原因で起きた災害である。また、現場責任者は、斜面を走行するトラクタショベルが危険なことを知っていたのにも関わらず、不慣れな作業員を誘導者として配置したことも要因の1つである。

このような事故を防ぐために、トラクタショベルなどクローラで移動する機械は斜面から平面に移動する際に運転者の死角が広がるため、それを考慮した事業計画を立てることが重要である。また、誘導者には建設機械の知識が豊富な作業者を指名し、常に運転手から見える位置で安全状況を伝えることが重要である。


一人親方あんしん労災 -エンジン式エアーコンプレッサーによる排気ガスを吸い込む

一人親方あんしん労災 - 有害物質との接触の労災事例

エンジン式エアーコンプレッサーによる排気ガスを吸い込む


発生状況

本件労働災害は、エンジン式エアーコンプレッサーでの塗装作業中に、排気口からでるガスを吸い込んで作業者1名が倒れたものである。

事故発生当日、被災者である作業員1名は塗装ブースにて建具の塗装作業を担っていた。被災者はエアーコンプレッサーを塗装ブースの入り口付近(屋外)に設置し、自身はスプレーガンを用いて室内で塗装作業を開始した。作業を行う際、換気口は使用せずに出入り口のドアと小窓を全開にしているだけの状態だった。塗装を始めて数分経った後、被災者がエアーコンプレッサーから出る排気ガスを吸い込んでしまい、その場に倒れ込んでしまったものである。屋外に設置したエアーコンプレッサーは排気口が出入り口に向いており、排気ガスが全て室内に入るような状態であった。

原因・対策

本件労災は屋内の塗装作業にエンジン式のエアーコンプレッサーを使用したことや、被災者の一酸化炭素中毒に対する認識が浅かったため、換気口を使用せずに塗装を行なったことが原因で起きた災害である。

このような事故を防ぐために、屋内での塗装作業にはエンジン式のコンプレッサーを使用しないことや排ガスが屋内に入らないような設置をした上で換気を十分に行うことが重要である。また、作業員に対して有毒ガスに対する安全教育を徹底して行い、必要に応じて局所配置装置などを積極的に利用することも重要である。


一人親方あんしん労災 – ボイラー室にメタンガス滞留で爆発

一人親方あんしん労災 – 爆発の労災事例

ボイラー室にメタンガス滞留で爆発


発生状況

本件労働災害は、ボイラー配管の補修を行う際に発生した爆発で、具体的には腐食した配管とガス安全機を新品に交換する工事であった。このボイラーは炉筒煙管型でバクテリアによってし尿分解を促進する保温用蒸気を供給していて、燃料にし尿処理場の消化槽から発生するメタンガスを使用している。

作業前の確認で、新しく用意した安全器と既存の配管を接続するボルトの穴の位置が合わないことが判明したため、フランジ部分の配管を取り外した後に一部分をガス溶断してボルト穴の位置を調節することにした。

消化槽からはメタンガスが通っているので消化槽側の仕切り弁は閉じ、配管側のフランジに閉止板を入れることにした。ところが災害発生当日、消化槽側の開口部にはテープでふさいで対応するのみであった。結局テープではガスの漏洩を止めることができず、このまま作業を続行した。

しばらくして、本来室外で行う予定だったガス溶断作業を悪天候のためボイラー室の中で実施することになった。このときボイラー室にはガスが滞留した状態であったため、室内で爆発が発生してしまった。

原因・対策

本件労災の原因は、配管の開口部をテープでふさいだだけであったためにガスが漏れ出していたことや、そのガスがボイラー室で滞留したことが挙げられる。またガス溶断作業をボイラー室内で行なったことも起因している。

このような災害の対策として、配管の取り替え工事をする際は仕切り弁を閉めるだけでなく閉止板の設置を徹底することが重要である。また火気作業を行う場合は作業場所で発火の可能性がないか必ず安全を確認する必要がある。


一人親方あんしん労災 -クレーン車が横転し、塀との間に挟まれる

一人親方あんしん労災 - はさまれ、巻き込まれの労災事例

クレーン車が横転し、塀との間に挟まれる


発生状況

本件労働災害は、電柱の設置工事中にクレーン車(建柱車)が転倒し、作業者1名が塀とクレーン車に挟まれたものである。

電柱の運搬と穴の掘削作業は終わっていたため、事故発生当日はクレーン車を用いて15メートルの電柱を5本設置する作業を行なっていた。作業責任者は運転業務を担当し、被災者はその誘導を担っていた。運転手は重さ1.6トンの電柱をつり上げ、高さ1メートルの塀を越えるためにジブを伸ばしながら旋回を行おうとした。その際、アウトリガーは出しておらず、定格荷重を超えていた。そのため作業開始後すぐにクレーン車は横転し、誘導を行っていた被災者は塀とクレーン車に挟まれて被災したものである。

原因・対策

本件労災は、アウトリガーを利用せずに工事を行ったことで定格荷重を超えてしまったことや工事現場の地形についての調査が不十分であったため、具体的な作業計画が作成されていなかったことが原因で発生した災害である。さらに、運転を行っていた作業責任者はクレーン車の運転免許を取得していなかった。

このような災害を防ぐために、クレーン車の定格荷重は必ず守り、必要な資格を所持しているものが運転を行うことと、地形をあらかじめ十分調査した上で作業計画を立て、それに則った工事を行うことが重要である。また、アウトリガーを使用することで定格荷重は大きくすることができるので、必要な際は使用することである。

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