建築/建設業界の労災事例
本サイトで紹介している労災事例は、実際にあった労災事故を掲載しておりますが、当協会によせられた労災事例ではありません。予めご了承ください。
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一人親方あんしん労災 – 床下の断熱材貼り付けで有機溶剤中毒に
一人親方あんしん労災 – 有機物等との接触の労災事例
床下の断熱材貼り付けで有機溶剤中毒に
発生状況
本件労働災害は、光栄住宅を建設する作業中に発生したものである。被災者は下請けのとび土工として現場に向かったが、当日は雨が降っており屋外での作業が困難な状況であった。そこで事業主は被災者とその同僚2人に床下の地中梁に断熱材を貼付する作業を行うよう指示した。
具体的な作業内容は、地下室のように梁で区分けされた床下部分に入り込み発泡ウレタン製の断熱材をゴム系の接着剤(ノルマルヘキサン60~70%含有)で地中梁に貼り付けるというものだった。
また作業する際は開口部(45㎝×120㎝)から床下に出入りすることにした。開口部は東と西に2つあり、他に通気孔(直径16㎝)が東に2つあるのみであったが作業員は防毒マスクの着用をしていなかった。
同僚の1人が床上で断熱材の切断を行い、被災者ともう1人の同僚が床下で貼り付け作業を担当することになった。2人は接着剤が15ℓ入った缶を床下に搬入し、地中の壁に塗り始めた。しかし作業開始から30分後、被災者は突然意識を失い現場に倒れ込んでしまった。
原因・対策
本件労災の原因は、有機溶剤を扱うにも関わらず呼吸用保護具の着用を怠っていたことやそもそも被災者に有機溶剤を取り扱っているという認識がなかったことが挙げられる。また床下部分という通気の難しい現場で換気設備を用意していなかったことも起因している。
このような災害の対策として、有機溶剤を取り扱う際は作業員の教育を徹底することや、防毒マスクを着用させることが重要である。また作業現場が狭い上に換気が困難な場合は、全体換気を行えるような装置を取り付けるか送気マスクを着用して作業する必要がある。
掲載日:2019年2月20日
一人親方あんしん労災 – 浴室の塗装作業で有機溶剤中毒に
一人親方あんしん労災 – 有機物等との接触の労災事例
浴室の塗装作業で有機溶剤中毒に
発生状況
本件労働災害は、住宅の浴室において天井の塗装工事を行なっている最中に発生したものである。被災者は塗装工として10年塗装作業に携わっており、5年前には有機溶剤作業主任者技能講習を修了していた。
災害発生当日、被災者は同僚とともに現場へ向かい塗料の調合を屋外で行なった。この時調合されたのは1.5ℓの塗料で、具体的にはトルエン(30~40%)キシレン(5~10%)を含んだ塗料1ℓを、トルエン(60~70%)メタノール(20~30%)酢酸メチル(10~20%)を含んだシンナー0.5ℓで稀釈した。
その後被災者は、防毒マスクを着用することなく塗装作業を開始した。ところが1時間後、気分が悪くなり始めたにも関わらず作業を続行しその数十分後に意識を失った。現場は浴室の窓や出入口は開放されていたものの、設備による換気は行われていなかった。その後被災者は病院に搬送され有機溶剤中毒と診断された。
原因・対策
本件労災の原因は、作業場所の換気を怠っていたことや防毒マスクをつけずに作業したことが原因としてあげられる。また被災者は以前にも有機溶剤業務中に倒れることがあったにも関わらず危機感を持っていなかったことも起因している。
このような災害の対策として、屋内で換気が不十分な現場では必ず全体換気装置を設置することや送気マスクや防毒マスクの着用を徹底することが重要である。また作業中に気分が優れない場合は必ず手を止めて安静にすることが重要である。
掲載日:2019年2月19日
一人親方あんしん労災 – ダンプカーの荷台と車体に挟まれる
一人親方あんしん労災 - はさまれ、巻き込まれの労災事例
ダンプカーの荷台と車体に挟まれる
発生状況
本件労働災害はダンプカーの荷台をあげた状態で車体の点検を行っていたところ、荷台が降下し始め、挟まれたものである。
事故発生当日、被災者である作業主任者とダンプカーの運転手の2名で道路舗装工事を行なっていた。内容はバラストを荷台に積み込み、それらを適正な場所に敷いていくというものであった。まず2人でダンプカーにバラストの積載を終え、舗装箇所に移動させようとした際、車体部分から煙が出ていることに気がついた。作業には支障がないだろうと判断した2人は、そのままバラストを敷くために荷台を上昇させていった。約1m上昇したところで被災者は荷台の下に体を乗り出すようにして車体の点検をし始めた。運転手は危険を感じたため被災者に止めるように忠告したが、被災者は無視して点検を続けていた。運転手は車外に出て注意をしようとしたところ荷台が降下し始め、被災者は荷台と車体の間に挟まれて被災した。
原因・対策
本件労災は、車体の点検作業が正しい手順で行われていなかったことや運転手が車外に出ようとした際に荷台操作レバーに触れてしまい、荷台が降下したことが原因で起きた災害である。
このような事故を防ぐために、原則として荷台が上昇しているときにその下に入り込まないことだが、点検を行う際には正しい手順をあらかじめ決めておき、それに従って作業する必要がある。また、ダンプカーは工事の前に故障がないことを確認し、運転手が運転席から離れる際には荷台を確実に降下させた後にブレーキをかけてから離れることが重要である。
掲載日:2019年2月17日
一人親方あんしん労災 – マンションの建設工事で枠組み足場から墜落
一人親方あんしん労災 – 墜落、転落の労災事例
マンションの建設工事で枠組み足場から墜落
発生状況
本件労働災害は、鉄骨造で3階建てのマンションを新しく建築する工事中に発生したものである。現場には被災者を含め作業に不慣れな者もいたが、事業者と作業員の間でその日の段取りについての話し合いや安全対策に関する打ち合わせ等は一切行われず業務が開始された。
被災者は3階部分にあたる浴場のタイルを下地塗りする担当であった。被災者は本職種に就いてからの経験は浅かったが、1人で作業を開始した。その後しばらくして地上から塗料をバケツに入れ、それを3階に引き上げるために3階の枠組み足場の上に設置した物上げ用ウインチを操作しようとしたところバランスを崩して墜落してしまった。
現場は筋交いを外した後墜落を防ぐための手すりが設置されておらず、さらに安全帯の着用など他の墜落防止策も徹底されていなかった。
原因・対策
本件労災の原因は、現場に手すりが設置されていなかったことや、それにもかかわらず安全帯の着用などその他の墜落防止策も怠っていたことが挙げられる。また現場に不慣れな作業員に1人で高所での作業を行わせたことや、安全に作業を行うための教育が不十分であったことも起因している。
このような災害の対策として、作業開始前や休憩時間中に適宜作業の詳細な段取りや手順を話し合い、安全に十分考慮した作業方法を確認することが重要である。また高所での作業は墜落の危険を伴うため、実施する前に保護帽や安全帯の着用などといった墜落防止策を徹底する必要がある。
掲載日:2019年2月16日
一人親方あんしん労災 – 草刈り作業中にハチに刺される
一人親方あんしん労災 - その他の労災事例
草刈り作業中にハチに刺される
発生状況
本件労働災害は、甲河川の護岸工事において河川敷の草刈り作業をしていたところ、被災者を含めた作業者3名がアシナガバチに刺されたものである。
事故発生当日、まずは河川敷の草刈りの作業から取り掛かった。作業者5名は刈払機を使用し、横1列に並びながら前進することで草を刈っていた。すると、作業開始直後に作業者2名が手首をアシナガバチに刺された。刺された箇所は多少腫れる程度だったため、2人は作業を続行し、午前中の草刈り作業を終えた。そして、午後も引き続き同じように作業を再開したところ被災者も手首を刺された。被災者はアンモニア水や冷水で局部を冷やしたが、倒れ込んでしまった。当日は真夏だったため作業員は半袖で軍手を使用せずに作業を行っていた。また、被災者は自身がハチアレルギーを持っていることを知っていたが工事に参加していた。
原因・対策
本件労災はハチアレルギーを持っていることをわかっていたにも関わらず当該作業を担当したことや、蜂に刺される危険性に対する意識が低く、腕を露出したままで作業を行っていたことが原因で起きた事故である。
このような事故を防ぐために、蜂アレルギーを持っている作業者をハチに刺される危険がある作業場で作業させないことが重要である。また、このような場所では長袖を着るなどの露出の少ない格好で作業をする工夫を施し、事故があった場合の応急処置の教育を十分に行うことも必要である。
掲載日:2019年2月14日
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