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建築/建設業界の労災事例

本サイトで紹介している労災事例は、実際にあった労災事故を掲載しておりますが、当協会によせられた労災事例ではありません。予めご了承ください。

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一人親方あんしん労災 – 木造分譲住宅の検察作業中に2階から転落

一人親方あんしん労災 - 墜落、転落の労災事例

木造分譲住宅の検察作業中に2階から転落


発生状況

本件労働災害は、木造分譲住宅の建築作業中に作業者1名が2階から転落したものである。

事故発生当日、被災者を含む作業者7名は、前日までに設置していたコンクリート基礎の上にクレーンで運ばれてきた木材を組み立てる作業を担っていた。被災者と作業者1名は、ベニヤ板を建て起こす作業を行うため、2階部分に移動した。2階の足場として利用したのはコンパネであり、便宜上、梁と固定されていなかった。

同僚が水準器を見ながら指示を出し、それに従って被災者がベニヤ板を建て起こそうとしたところ、突然足場のコンパネが滑り、被災者は約3メートル下の地面に叩きつけられたものである。

原因・対策

本件労災は、安全な足場が設置されていない中で2階部分の作業を行ったことや、墜落防止の措置がなされていない作業場において安全帯を使用せずに作業していたことが原因で起きた災害である。また、作業主任者が選任されていなかったため、的確な指示を出せる人が現場にいなかったことも要因の1つである。

このような事故を防ぐために、2階部分で作業を行う際はまず床の設置を行い、安全な足場を用意することや、墜落防止の措置あるいは安全帯を使用するなどの工夫をすることが重要である。また、的確な指示を出せる作業主任者を選任し、安全に作業を行うための作業方法を事前に作業者に認知させることも大切である。


一人親方あんしん労災 – 重油タンク内に入り酸素欠乏

一人親方あんしん労災 – 有害物等との接触の労災事例

重油タンク内に入り酸素欠乏


発生状況

本件労働災害は、コンクリートの床下にある重油タンクの漏洩を点検するための準備中に発生したものである。具体的にはマンホールのコンクリートはつり、マンホールのパッキン取り替え、送油管を閉じるという作業を行なっていた。

このうち被災者は送油管を閉める作業担当で、タンクの外側からタンク内の送油管を抜き管の端を詰めるという作業手順を予定していた。

災害発生当日、作業員3名がマンホールの上部にあるコンクリートのはつり作業を終了したのち被災者はマンホールの蓋を開け作業を開始した。このとき被災者は予定していた手順を踏むのが面倒で、タンクの中から送油管の除水器を取りはずそうとタンクの中へ入った。

しかしその後すぐに被災者は意識を失い、気づいた3名の作業員がコンプレッサーにホースを取り付け被災者の口に直接空気を送り込んだところ意識が戻ったが、しばらくすると再び倒れ込んでしまった。そこで同僚の一人がロープを巻き救出に向かったが、その同僚もまたタンク内で意識を失ってしまった。

外にいた作業員たちが2名を引き上げ、病院に搬送したところ酸素欠乏症であったことが判明した。事故後の調査で現場の酸素濃度を測定したところ、16.9%であった。

原因・対策

本件労災の原因は、タンクの内壁が酸化していたことで酸素が不足した状態だったことや、被災者が予定されていた手順通りに作業していなかったことが挙げられる。またタンク内の酸素濃度を確認せず侵入したことも起因している。

このような災害の対策として、作業は安全を確保するため必ず手順通りに行うことや、密閉された空間で作業する場合には酸素濃度の測定を怠らないことが重要である。


一人親方あんしん労災 – ホイストクレーン上で点検中に転落

一人親方あんしん労災 – 墜落、転落の労災事例

ホイストクレーン上で点検中に転落


発生状況

本件労働災害は、製鉄工場で電気設備の修理工事をしている最中に発生したものである。具体的には圧延工場にある4000tプレス付属ホイストクレーン20tつりの巻下げに不良がみられるというもので、作業は被災者が行い他の作業員3人が立ち合って行われる予定だった。

被災者は操作用ペンダントスイッチを解体し断線があるかどうか確かめ、その後ホイストの配電盤を確認した。このとき立ち合うはずの3人のうち2人は別の作業のため現場を離れており、被災者がホイストクレーンのランウェイ山側に設置されているターミナルボックスの点検を始めた時にはもう1人も他の作業の手伝いをしていた。

このとき被災者の事務所の親会社に所属する熱処理担当の作業員がゴミ処理にあたっており、ゴミバケットをクレーンに積もうとしたものの山側の天井走行クレーンの吊具ではうまくいかず、4000tプレスの40mほどで海側にあった天井走行クレーンを用いて山側に走行した。

しかしクレーンが4000tプレスを通過した頃、ホイストクレーンのガーダ上で作業中だった被災者はクレーンに押し出されてしまい墜落した。

原因・対策

本件労災の原因は、墜落を防ぐ安全帯を着用していなかったことや、ホイストクレーンの上で点検作業をするにあたって付近にあるクレーンと接触する事故を避ける措置をとっていなかったことが挙げられる。

このような災害を防ぐため、手すりのない高所で作業する場合は必ず安全帯を使用することや、看板や監視員などクレーンとの接近を防止する対策を講ずることが重要である。


一人親方あんしん労災 – 検電作業中にバイパスケーブルに触れ、感電

一人親方あんしん労災 - 感電の労災事例

検電作業中にバイパスケーブルに触れ、感電


発生状況

本件労働災害は、変電設備のメンテナンス作業中に、作業者1名がバイパスケーブルに触れ、感電したものである。

事故発生当日、現場責任者を含めた作業者3名でキュービクルのメンテナンス作業を担っていた。本キュービクル内には、電源の断路器以外にもバイパスケーブル等の配線も接続されていた。

作業はまず断路器の電源を切り、検電器で停電を確認してから点検・清掃等のメンテナンスを行うものであり、バイパスケーブルは通常停電状態なので、普段からほとんど気にとめることなく作業が行われていた。しかし、事故発生の数日前に起きた電気系統の故障により、その日はバイパスケーブルに電流が流れていた。そのことを知らなかった被災者1名がいつも通り点検を行おうとしたところ、6600Vもの電圧がかかるバイパスケーブルに触れてしまい、感電したものである。

原因・対策

本件労災は、絶縁用保護服を着用することなく検電作業を行なっていたことや、バイパスケーブルに通電していることを作業者が認知していなかったことが原因で起きた災害である。検電は配電設備が正常に稼働しているかを確認するために行うものなので、停電を前提に作業するべきではない。

このような事故を防ぐために、検電が済んでいない送電線などは通電している可能性があるので、事故が起きないような工夫を施した上で作業することや、電気工事を行う際には、関わる電気系統の状況をしっかりと認知した上で作業を行うことが重要である。


一人親方あんしん労災 – 高圧活線を切断しようとして感電

一人親方あんしん労災 – 感電の労災事例

高圧活線を切断しようとして感電


発生状況

本件労働災害は、電柱に新しい変圧器を取り付け既設のものを撤去するという作業中に発生したもので、当時被災者は6000Vの高圧線から高圧引下線を切り離す作業を行なっていた。

被災者は他の作業員3名とともに午前10時頃作業を開始した。まず新しい変圧器を設置するための台を設け、その後被災者と同僚は従来からあった変圧器を取り外す作業を開始した。班長ともう1人の作業員は新しい変圧器の取り付けを担当し、変圧器の二次側と低圧線を接続させた段階で被災者らに伝えヒューズ管を入れ通電した。

班長は通電を確認しようと周囲の家屋を歩き回って確認し、被災者の同僚は高圧引下線を切り離す作業に取り掛かった。そして中央部にある高圧引火線を高圧本線から切り離し、次に家屋側にある高圧引火線の切断に移ろうとした。

この時同僚の作業がまだ完了していないにも関わらず、被災者は電柱に登り高圧引下線の下側をペンチで切断する作業を開始してしまい、活線に触れたため感電した。このとき被災者は検電器具等を用いた停電の確認を行なっておらず、短絡接地もしていなかった。

原因・対策

本件労災の原因は、被災者が同僚の作業が完了したことを確認せずに自分の作業を開始してしまったことや、現場を見ていなければならない班長が歩き回っており作業する様子の確認を怠っていたことが挙げられる。

このような災害の対策として、作業指揮者である班長はいつでも指示を出せる状態でいることや、作業を開始する前に通電していないことを検電器具で確認し短絡接地を欠かさず行うことが重要である。

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