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建築/建設業界の労災事例

本サイトで紹介している労災事例は、実際にあった労災事故を掲載しておりますが、当協会によせられた労災事例ではありません。予めご了承ください。

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一人親方あんしん労災 – 転倒したクレーン車とガードレールの間に挟まれる

一人親方あんしん労災 - 転倒の労災事例

転倒したクレーン車とガードレールの間に挟まれる


発生状況

本件労働災害は、車両積載型クレーンが過荷重により転倒し、作業者2名がガードレールとの間に挟まれたものである。

事故発生当日、外国人作業者2名で解体された建設物の資材をクレーンで運搬する業務を担っていた。なおこの作業者2名は小型移動式クレーン車の技能講習を受けていなかったため、見よう見まねでクレーンを操作することとなった。まず、解体現場で鉄板29枚の積み込み作業を行なった。次にそれらを積み降ろすため、資材置き場に移動してからアウトリガーを張り出して積荷の玉掛けを行なった。そして、鉄板を吊り上げてジブを旋回させたところ、機体が大きく傾いて転倒し、そのまま作業者2名はガードレールと機体の間に挟まれて被災した。

この時のジブの傾斜角度は約40°であり、定格荷重は450キロだったにも関わらず、鉄板の総重量は1,500キロであった。

原因・対策

本件労災は、クレーンの操作資格を有しない者が本件作業を担い、定格荷重を大きく超える量の資材を吊り上げるという誤った操作を行なってしまったことが原因で起きた災害である。

このような事故を防ぐために、資格を持たない作業者にはクレーン操作は任せずに、必ずクレーン運転士免許などの技能講習を受講した者が作業を行うことが重要である。また、安全管理体制をより充実させて、作業者に適切な教育を行うことである。


一人親方あんしん労災 – 修理中のベルトコンベアーが起動し挟まれる

一人親方あんしん労災 – はさまれ、巻き込まれの労災事例

修理中のベルトコンベアーが起動し挟まれる


発生状況

本件労働災害は、幅1.1m・輸送能力90t /h・長さ14mのベルトコンベアを修理する作業中に発生したものである。事故現場の工場は24時間3直勤務で、ベルトコンベアの起動にはまず電気室で電源を入れその後操作室の起動スイッチを入れる必要があった。

作業を開始する前に電気室で左右2つのベルトコンベアの電源を切り、スイッチ部分に「点検中」と書いたテープを貼り付けた。その後被災者は数時間にわたり左側のベルト周辺に空いた穴を埋める作業を行い、しばらくして同じベルトのキャリアローラの交換作業に移った。

このとき右側のベルトコンベアーに関しては起動させても作業に支障が出ないため、その場にいた作業員は電話で操作室にいる同僚に「右のベルトは動かして良い」と伝えた。このときちょうど交代時刻だった同僚は引き継ぎにきた作業員に「右は動かして構わない」と伝え操作室を退室した。

引き継いだ作業員は電気室にいる別の作業者に右のベルトコンベアーの電源を入れるよう伝え、右のベルトは起動された。しかし電気室の作業員は左のベルトコンベアーも点検を終了させたと誤解し、テープが貼られているにも関わらず独断で電源を入れた。

これにより操作室にいた作業員も左のベルトコンベアーのスイッチを入れてしまい、ベルトの間に体を入れてキャリアローラの交換をしていた被災者は動き出したベルトコンベヤーのベルトとテールプーリーの間に挟まれた。

原因・対策

本件労災の原因は、修理が終了していないにも関わらず独断でベルトコンベアーを起動させたことや、引き継ぎとして左のベルトコンベアーは作業中であることを伝えていなかったことなどが挙げられる。

このような災害の対策として、作業を交代するときには引き継ぎとして現場の様子を詳細に報告することが重要である。


一人親方あんしん労災 – ゴルフ場をトラックで移動中、荷台から転落

一人親方あんしん労災 - 墜落、転落の労災事例

ゴルフ場をトラックで移動中、荷台から転落


発生状況

本件労働災害は、トラックの荷台に乗っていた作業者が移動中に転落したものである。

事故発生当日、作業者4名でゴルフ場の芝の張り替え作業を担っていた。作業は順調に進み、一通りの手順を終えたため、4名はトラックで事務所に帰ることにした。移動に利用したトラックは運転室に3人乗車するタイプであったため、余った1人は荷台に乗車することとなった。荷台の左右にはあおりがついていたが、後方部分には作業の都合上あおりが取り外されていた。

移動中、一時停止と再発進を繰り返してしばらく運転していたところ、運転手は荷台部分の作業者がいないことに気がついた。そこでトラックをUターンさせて作業者を探しに戻ったところ、地面で仰向けに倒れている作業者を発見した。

原因・対策

本件労災はあおりの設置状態が悪いトラックの荷台に作業者を乗せて移動したことや、一時停止後の再発進時に作業者に対して発進の合図を送らなかったことが原因で起きた災害である。

このような事故を防ぐために、移動に使用する自動車はあらかじめ作業者の数に見合ったものを用意し、原則として荷台には人を乗せないことが重要である。万が一、荷台に人を載せる場合には確実にあおりを設置した上で運行し、発進する際には荷台に乗せた作業者の状況を確認した上で合図を出してから発進することである。


一人親方あんしん労災 – 塗装作業中に有機溶剤中毒に

一人親方あんしん労災 – 有害物等との接触の労災事例

塗装作業中に有機溶剤中毒に


発生状況

本件労働災害は、住宅の塗装工事を行なっている際に発生したものである。事故の発生した案件は一般住宅3軒の外壁と浴室を塗装するもので、事故発生時は作業の5日目にあたり浴室の天井を塗装している際に発生した。

作業は6人で行われ、浴室の塗装には下塗りとして水性塗料を使用し、上塗りには第二種有機溶剤であるトルエン(30~40%)キシレン(10%程度)酢酸エチル(10~20%)等を含有した塗料を使用することになった。

この時可搬式換気装置は使用せず、自然換気のみで作業を行う計画であった。また呼吸用保護具も作業現場に持ち込んでいなかった。

作業開始から1時間後、被災者は換気が十分にできていない場所で作業をしていたため職長は浴室の窓を開け換気しながら作業を行うよう被災者に指示した。しかし被災者は指示に従うことなく、2軒目の塗装作業も窓の換気をせずに行なった。

午後2時ごろ、同僚が被災者の様子を確認しに現場に立ち入ると強烈な有機溶剤の臭いがした。慌てて被災者に浴室から出るよう声をかけたが、作業がもう少しで終わるという状態だったため被災者は作業を続行した。するとその後すぐに被災者は意識を失い、有機溶剤中毒となった。

原因・対策

本件労災の原因は、被災者の換気に対する認識が甘かったことや、被災者を含めた現場の作業員が呼吸用保護具や排気装置を使用していなかったことが挙げられる。

このような災害の対策として、換気が必要な有機溶剤を扱う際には対策を怠らず、中毒にならないよう細心の注意することが重要である。


一人親方あんしん労災 – 新築したタンクに設置した足場から転落

一人親方あんしん労災 – 墜落、転落の労災事例

新築したタンクに設置した足場から転落


発生状況

本件労働災害は、外径およそ26m(壁厚約23cm)・高さおよそ9mの円筒形貯水タンクを新築する工事中に発生したものである。前日にコンクリート打設は終了しており、張り出し足場が4層とその外側に枠組み足場が6層設置してあった。

災害発生当日は側壁の仕上げとしてピラスター部分にある鉄筋の端を処理するための空洞をモルタルで埋める作業を行う予定であった。作業員は被災者を含め7人で、元請現場代理人は作業前のミーティングにて足場で滑らないよう注意喚起をしていた。

その後作業員らは安全帯を着用することなく作業を開始した。被災者は西側にある枠組み足場の3層と4層の間からピラスター部分の空洞をモルタルで埋める作業を行なっていたが、しばらくして足を滑らせ地面に転落してしまった。

その後の調査でピラスター部分の付近には躯体側に長さ1.5m・幅0.7mの開口部があったが、手すりや防網の設置はされていなかったことが明らかになった。

原因・対策

本件労災の原因は、高所においてピラスター部分に開口部があったことや、開口部に手すりもしくは防網を設置していなかったことがあげられる。また被災者が転落を防ぐ安全帯を使っていなかったことも起因している。

このような災害の対策として、開口部がある場合は手すりなどの墜落防止措置を講ずることや、それが難しければ必ず防網の設置を徹底することが重要である。また墜落の危険がある高所で作業する際は、現場の作業員に安全帯を使用させることも重要である。

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