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建築/建設業界の労災事例

本サイトで紹介している労災事例は、実際にあった労災事故を掲載しておりますが、当協会によせられた労災事例ではありません。予めご了承ください。

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一人親方あんしん労災 – 高所で足場板の搬入中に足を滑らせ墜落

一人親方あんしん労災 – 墜落、転落の労災事例

高所で足場板の搬入中に足を滑らせ墜落


発生状況

本件労働災害は、3階建ての鉄骨製建造物を建設する工事中に発生したものである。災害発生当日は左官・内装・外壁工事を残した状態で、天井板を設置するために脚立22台と足場板30枚を3階に運搬する作業を行なっていた。

脚立の運搬は、外部足場の建地にブラケットを出す→滑車を吊り下げる→ロープをかけて脚立に結びつける→外部足場に沿って吊り上げる→作業床の上まで運び込むという流れで行われることになった。作業員の1人が地上で脚立にロープを結びつける作業を担当し、被災者が吊り上げられた脚立を取り込むことになった。

脚立を足場の上から3階に搬入する際に邪魔になるため、被災者は枠組み足場の内側の筋かいを外していた。また脚立の搬入が終了し足場板を取り込む際には自分のいる足場につけられた手すりも外していた。

作業開始からしばらくして20枚目の足場板を3階の窓枠に載せてロープをほどいた被災者は、突然足を滑らせてしまい足場板を抱くような状態で地面に落下した。被災者は災害発生当日に事業主が雇い入れた者で、安全対策等の教育を受けていなかった。

原因・対策

本件労災の原因は、作業する足場の手すりを外していたにも関わらず防網や安全帯を使用するなどの墜落防止策を講じなかったことや、被災者に対し適切な教育を行っていなかったことが挙げられる。

このような災害の対策として、作業中止むを得ず足場の手すりを外す場合には防網を張り安全帯を装着するなど墜落を防ぐ対策を行うことや、雇い入れた作業員に対して適切な指導を行うことが重要である。


一人親方あんしん労災 – 降雨後の掘削作業中に地山が崩壊

一人親方あんしん労災 – 崩壊、倒壊の労災事例

降雨後の掘削作業中に地山が崩壊


発生状況

本件労働災害は、幅およそ3m・深さおよそ6mの掘削溝に排水管を埋める作業中に発生した。この溝は2段掘りで、地上から2mほど掘ったところに小さな段が設けられ、さらに4m掘り下げたところに排水管を埋設する予定だった。

現場には残土が多く置かれていたため、災害発生前日に溝を掘り下げる作業と並行してドラグ・ショベルで残土を捨てる作業を実施した。災害発生当日の午前中も引き続き掘削溝の掘り下げを行ない、その後は排水管2本分にあたる8mまで掘り進む→排水管を1本設置→4m掘るごとに1本排水管設置という手順で作業が計画されていた。

被災者は排水管を設置するための床ならし作業を担当し、別の作業員はドラグ・ショベルで溝を掘り進めていた。その際一時的に強い雨が降ったが、しばらくすると止んだのですぐに作業を再開した。すると掘削溝の地山の一部分が崩れ、床ならし中だった被災者は生き埋めになってしまった。

原因・対策

本件労災の原因は、掘削作業中に地山の崩壊を防ぐ土どめ支保工の設置などを一切行なっていなかったことや、雨により土が崩れやすい状態であったにも関わらずすぐに作業を再開したことなどが挙げられる。

このような災害の対策として、事前に現場の地質や形状を把握した上で地山の崩壊を防ぐ適切な対策を講じることが重要である。また急な降雨など突然の変化があった場合には、現場の安全を第一に考慮し作業を中断することも重要である。


一人親方あんしん労災 – 溶接棒ホルダーの充電部が露出して感電

一人親方あんしん労災 – 感電の労災事例

溶接棒ホルダーの充電部が露出して感電


発生状況

本件労働災害は、型枠のセパレーターと鉄筋を溶接する作業中に発生したものである。この事業場では機械の製造を行う工場の増築工事に携わっており、機械据付のための基礎工事のうち床溝、ピットの枠部分に取り付けるL字鋼を寸法通り切断し、アーク溶接を行う作業を担当していた。

被災者は型枠のセパレーターと鉄筋とを溶接するため鉄筋と型枠の間に入り込んでかかんだ姿勢になった。作業場所が窮屈であったため左腕を常に鉄筋に接触させたままであったが、被災者は構わずアーク溶接を始めた。ところが作業開始からしばらくして、使用していた溶接棒ホルダー絶縁部分が破損してしまったため被災者は感電した。

原因・対策

本件労災の原因は、溶接棒ホルダーの充電部分が露出してしまっていたことや鉄筋など導電体がすぐ近くにある作業場所であるにも関わらず交流アーク溶接きに自動電撃防止装置を使っていなかったことなどが挙げられる。さらに作業員は汗をかいていて、電流が体に流れやすい状況であったことも起因している。

このような災害の対策として、溶接棒ホルダーの絶縁覆いは定期的にチェックし異常が見られれば速やかに補修や交換といった対策を講じることと、導電体に囲まれたような作業場所では必ず自動電撃防止装置を使用することが重要である。

また作業員が汗をかいた場合は直ちに拭き取り、服が濡れた場合には着替えを徹底させ電気が通りにくい状態を保つことも重要である。


一人親方あんしん労災 – 型枠が倒れ地面と型枠の間に挟まれる

一人親方あんしん労災 – 崩壊、倒壊の労災事例

型枠が倒れ地面と型枠の間に挟まれる


発生状況

本件労働災害は、以前行われた護岸工事の際に使われた型枠材を整備するという作業中に発生した。作業内容は、型枠材についたサビをサンダーで研磨し、さび止めを塗ったあとコンクリートと型枠材の剥離を促す塗料を塗布するというものであった。

型枠材はH型鋼で1㎝ほどの厚さの板を溶接して作られており、縦7.6m・横2m・厚さ7.5㎝ほどの大きさであった。整備中は長辺を下にして自立して置かれており、重心が高い位置にあり不安定な状態だった。

災害発生当日、現場は海岸に近く海風が強く吹く場所であったが、型枠材が何かに固定されるといった転倒防止策を講じることなく作業が開始された。被災者は型枠材の研磨作業を完了させたあと、ほかの作業員が担当する部分のさび取りを手伝うため場所を移動した。

その後さび取りの手伝いが終了したので自分の担当範囲の型枠材まで戻って塗料を塗ろうとしたところ、強風で型枠材が倒れ被災者の体は型枠と地面の間に挟まれてしまった。

原因・対策

本件労災の原因は、自立させるには不安定な形状の型枠を立てて仮置きしたことや、風が強く吹き型枠が倒れやすい状況の中で転倒を防ぐ対策を一切とらずに作業を行ったことなどが挙げられる。

このような災害の対策として、自立させると不安定になる型枠材は基本的に寝かせて扱うことや、風などにより立てた型枠が倒れるおそれがある場合には、事前に転倒を防ぐため安定したものに固定するといった対策を講じることが重要である。


一人親方あんしん労災 – フォークリフト横転で運転手が投げ出される

一人親方あんしん労災 – 転倒の労災事例

フォークリフト横転で運転手が投げ出される


発生状況

本件労働災害は型枠を設置する工事を行う際に発生した。作業は、型枠の加工を数日間行う→工事現場まで型枠を運搬する→型枠を組み立てるという手順で行われる予定で、被災者を含めた3人の作業員が担当していた。

被災者は屋外の加工場で型枠の加工作業を完了させ、もう1人の作業員と共に残った資材の片付けを開始した。資材の運搬には最大荷重770kgのフォークリフトを使用することにしたが、普段フォークリフトの運転を担当している作業員が不在だったので、被災者が運転し別の作業員は加工場で散らばった資材をかき集めることにした。

資材を載せて倉庫までフォークリフトで移動した被災者は、資材を降ろした後加工場に戻るためハンドルを切って後進した。すると車体は数メートル下がった後、倉庫を新しく建設するために掘られた基礎用の穴に落ちてしまった。フォークリフトは斜めに転倒し、運転席にいた被災者は体を投げ出され穴に転落した。

原因・対策

本件労災の原因は、倉庫新築のための穴に看板など危険を知らせる対策が一切されていなかったことや、被災者がフォークリフトの運転に必要な教育を受けていない者だったことが挙げられる。また他の作業員2人がそれぞれ別の場所にいたため穴の危険性に気づかなかったことも起因している。

このような災害の対策として、転落のおそれがある場所では危険を知らせる措置を講じることや、フォークリフトの運転は必ず特定の教育を受けた人物が行うことが重要である。さらに片付けを含め全ての作業は、実施する前に現場の状況を事前に確認した上で安全に配慮した計画を定めることも重要である。

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