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建築/建設業界の労災事例

本サイトで紹介している労災事例は、実際にあった労災事故を掲載しておりますが、当協会によせられた労災事例ではありません。予めご了承ください。

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一人親方あんしん労災 – 平家建設中に梁から落下

一人親方あんしん労災 – 墜落、転落の労災事例

平家建設中に梁から落下


発生状況

本件労働災害は、平家の増築工事中に梁の上で隅木を取り付けている際に発生した。作業は前日までに土台の据え付けが完了しており、当日は移動式クレーンで梁や柱を設置した後屋根の下地を支える桁等に垂木を取り付け、軒の隅に隅木を設置するという計画で打ち合わせが行われた。

作業内容の打ち合わせが終了した後、安全確認に関しては注意を促す程度で具体的な注意事項や安全対策の共有はされなかった。これもあってか作業場には全員分のヘルメットが用意されていたにも関わらず被災者を含め誰も着用せずに作業を開始した。

午前のうちに梁や柱を構築する作業が終了したため、午後からは垂木・隅木を取り付ける作業に入った。被災者は玄関に当たる部分の隅木を取り付けることになった。作業開始からしばらくして被災者は梁から足を滑らせ、あわてて梁に手をかけたが体を支えられず地上に落下してしまった。

原因・対策

本件労災の原因は、高所での作業で落下の危険性があるにも関わらず作業床を設置しておらず、安全帯も用いていなかったことなどが挙げられる。さらに被災者を含む作業員がヘルメットを着用していなかったことも起因している。

このような災害の対策として、作業場所が高さ2m以上である場合は安全な作業床を準備することや、墜落の危険がある場所では安全ネットを張る、あるいは親綱を設置し安全帯を正しく使用することが必要である。またヘルメットの着用を徹底することも重要である。


一人親方あんしん労災 – ドラグ・ショベル積み込み中に道坂が外れ機体の下敷きに

一人親方あんしん労災 – 墜落、転落の労災事例

ドラグ・ショベル積み込み中に道坂が外れ機体の下敷きに


発生状況

本件労働災害は、ドラグ・ショベルを資材置き場から作業現場まで運搬しようとした際に発生した。この会社はもともと建設機械の取り扱いをしていなかったが事業拡大のため導入を検討しており、災害発生当時は機体重量0.5tのドラグ・ショベルを1機、重機の販売店から借りている状態であった。

災害発生当日、管工事を実施するためドラグ・ショベルを現場に運ぶことにした。この会社の作業員は建設機械の使用法などに関して説明を受けていなかったが、過去に一度だけドラグ・ショベルを運転したことのある被災者がその作業を担当することになった。

ドラグ・ショベルの運搬にはダンプトラック(2t)と道坂(鉄製・長さ約2.5m・幅45㎝)2枚を用意した。はじめに積み込みを楽にするためトラックの荷台の前方を20㎝程度上げ、その後トラックに道坂を渡す作業を行なった。この時道坂の1つはかぎ手を荷台側にかけ、もう1つは盛り土側にしていた。

ドラグ・ショベルの運転を開始した被災者は、少しずつ道坂を前進した。しかしあと少しでドラグ・ショベルがトラックの荷台にかかるというところで道坂が外れてしまい、機体が大きく転倒した。これにより被災者はドラグ・ショベルの下敷きになってしまった。

原因・対策

本件労災の原因は、道坂のかぎ手が1つしか荷台にかけられていなかったことや盛り土が柔らかく道坂を安定させられるものではなかったことなどが挙げられる。

このような災害の対策として、建設機械を運搬する場合は地盤の固く平らなところで行うことと、道坂は安全な勾配を確保できる場所で使用し、十分な幅や強度を持ったものを選ぶことが挙げられる。また特別教育を受けた者だけがドラグ・ショベルを運転するよう徹底することが重要である。


一人親方あんしん労災 – 足場解体作業中、投げ下ろす部材と一緒に作業員が落下

一人親方あんしん労災 – 墜落、転落の労災事例

足場解体作業中、投げ下ろす部材と一緒に作業員が落下


発生状況

本件労働災害は、本体工事が終了したマンション建設現場において、施工業者の作業員7名が外枠の足場解体工事をしていたときに発生した事案である。

足場は建て枠、筋交いなどには主に鋼管を使用しており、足場板のみが木製であった。上層階より順に解体作業をはじめ手渡しで作業が進行していたが、残り3階分になったあたりから部材を外して地上に投げ下ろす方法が取られていた。

被災者は現場責任者とともに2名で作業していた。4階部分の建具を外して3階から投げ下ろすときに、誤って部材とともに地上に落下した。落下したとき、被災者は安全帽を身に着けてはいたが、安全帯は装着しておらず現場にもなかった。

原因・対策

本件労災の原因は、現場の責任者はいたが作業主任者選任者がおらず、直接的な指揮指導がされていなかったことと、墜落防止措置が不十分であったことが挙げられる。さらに投げ下ろしをはじめるなど、作業工程が策定されていなかったことも大きな要因である。

このような災害に対しては墜落防止措置を具体的に選定をし、必要な防具などは事前に現場に用意しておくことが重要である。また、各作業工程上においても墜落防止策を策定しておく必要もある。さらに作業主任者は選任して、指揮指導を取らせるようにするべきである。


一人親方あんしん労災 – 吊り荷の振りによりクレーンが転倒し破損

一人親方あんしん労災 – 転倒の労災事例

吊り荷の振りによりクレーンが転倒し破損


発生状況

本件労働災害は、林道開設の工事現場において、道を拓くために伐採された倒木をホイールクレーンで吊り上げたあと、所定の場所へ移動する作業中に起きた事案である。

災害発生当時はホイールクレーンを勾配約8度の未舗装の場所に設置し、勾配上方で伐採された樹木に講習修了者が玉掛けをし、ジブ・補ジブも最大長(ジブは30メートルで補ジブは12メートル)まで伸ばした状態で勾配下方へ旋回して移動させ、樹木を降ろす作業中であった。事故発生時のジブの角度は70度で定格荷重は1.6トンであった。未舗装の場所は、雨続きで地盤が緩んでいる状態であった。

玉掛けを終えたあと、クレーンオペレーターは一本づりの状態で樹木(長さ4メートル、重量280キロ)を吊り上げ、後方へ旋回を始めたところ、右後方のアウトリガーが沈下し車体が傾いて、そのまま横転し伐採前の樹木に激突してジブを破損した。その際、全てのアウトリガーが最大幅に張り出されていて、それぞれに鉄板の敷板が敷かれていた。

原因・対策

本件労災は、まずクレーンのアウトリガーを張り出した場所の地盤が緩かったことが理由として挙げられる。ほかに一本づりで玉掛けを行ったがために、荷が不安定となり旋回時に振れが発生したことと、作業中の方法などが策定されておらず、地面が崩れた際にも合図が発せられなかったことも原因である。

このような災害に対してはまず現場の作業方法や合図などを策定の上、現況を充分に把握することが大切である。さらにアウトリガーを張り出す場所も、地盤の緩んでいるような不適切な場所を避けることと、玉掛け時に長さがあるものを吊るときには一本づりは避けて、天秤づりなど荷が振れない方法を選ぶことも重要である。


一人親方あんしん労災 – U字側溝敷設作業中に不整地運搬車にひかれる

一人親方あんしん労災 – はさまれ、巻き込まれの労災事例

U字側溝敷設作業中に不整地運搬車にひかれる


発生状況

本件労働災害は、幅員3.8メーターの道路工事のU字側溝設置作業をしている被災者が、U字側溝を運搬する役についていた不整地運搬車に巻き込まれたものである。

事故当日、現場には元請けの現場代理人と作業員2名、不整地運搬車オペレーターと下請け会社の作業員4名がいた。被災者は下請け会社所属の作業員であった。

現場では片側のU字側溝の敷設が終わり、反対側の敷設に取り掛かっていた。この現場では敷設作業と目地埋め作業を並行して行っていたため、下請け作業員4名は目地埋め作業に従事していた。

並行作業のため、現場は路肩で作業する人のすぐそばを不整地運搬車が通るという状況であったが、オペレーターは敷設済みのU字側溝を破損しないように、そちら側へ気配っていた。

そのような状態のなかで、不整地運搬車と作業員のすれ違いが何度か行われたが、敷設済みU字側溝を避けるように走ってきた運搬車から下請け作業員の1名が退避できず、不整地運搬車後部履帯に巻き込まれひかれてしまった。

原因・対策

本件労災は、敷設作業と目地埋め作業が同時に行われていたことが主な原因である。さらに、作業員と重機が混在する現場であったのにも関わらず、誘導員が配置されず退避の合図も策定されていなかったことも大きな理由である。また幅員3.8メーターの道路に不整地運搬車を使用していたことも遠因である。

このような災害の対策として、まず作業者配置や退避合図などの作業計画をしっかり策定し、周知徹底することである。次に策定した作業計画に則り、誘導者が合図を出して作業員を危険な状態から退避させることである。また、現場にサイズにあった重機を用いて、危険を削減していくことも重要である。

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