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建築/建設業界の労災事例

本サイトで紹介している労災事例は、実際にあった労災事故を掲載しておりますが、当協会によせられた労災事例ではありません。予めご了承ください。

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一人親方あんしん労災 – 斜面に駐車したショベルローダーが動き出しひかれる

一人親方あんしん労災 – はさまれ、巻き込まれの労災事例

斜面に駐車したショベルローダーが動き出しひかれる


発生状況

本件労働災害は、斜面に面した住宅を建設する際に行われた擁壁工事で、余った土を埋め戻す作業の準備中に発生したものである。埋め戻しには1台のショベルローダーを使用し、また土砂を運搬するため2トントラックを3台用いることになっていた。

災害発生当日、埋めもどす土が集められた場所で作業内容を確認した後、被災者を含む2人の作業員はトラックにショベルローダーを積み現場まで運び込んだ。その後2人はショベルローダーを降ろし、作業場所近くの交差点にショベルローダーを移動させた。

しかしこれでは土砂を運搬するトラックの通行の妨げになると判断した被災者は、ショベルローダーを下り坂の道路に移動させることにした。坂まで運転した後、バケットを上げエンジンをかけたままの状態で、サイドブレーキを引いて下車した。

その後しばらくしてショベルローダーが動いているのを確認した被災者は、慌てて走り寄りショベルローダーを押さえようとしたが動きは止まらず、運転席に乗ろうと試みたがそれもできず、ショベルローダーに引きずられそのまま車体から振り落とされてひかれてしまった。

原因・対策

本件労災の原因は、ショベルローダーから降りる際にバケットを降ろしエンジンを切ってサイドブレーキをかけるという措置を行わなかったことが挙げられる。またブレーキを含めた車両機能を点検していなかったことや、ショベルローダーを急な斜面に駐車したことも起因している。

このような災害の対策として、運転席から離れる場合は必ずバケットを地面まで降ろしてエンジンを切り、サイドブレーキをかける必要がある。また急勾配の斜面には車両を停めないことや、定期的に機械の点検を行うことも重要である。


一人親方あんしん労災 – ドラグ・ショベルが斜面を滑り作業員に激突

一人親方あんしん労災 – 激突されの労災事例

ドラグ・ショベルが斜面を滑り作業員に激突


発生状況

本件労働災害は、2階建て建造物を新築する工事において、表層改良工事の一環として土止め支保工と地下車庫の間を埋め戻す作業中に発生した。地盤面は前を走る道路の4.9mほど上にあり、中央が道路と同一平面までコの字に掘削されていた。

そこに土止め支保工を地盤面の約1m低い位置で組み立てた状態で掘削面が保たれており、支保工の辺りは40°程度の傾斜が見られた。また掘削された部分の内部にはすでに地下車庫が作られており、支保工と車庫は1、2mほどの間隔があった。

埋め戻しの作業にはドラグ・ショベルが用いられ、被災者が運転を担当し残りの3名が土砂の締め固め作業にあたった。作業開始からしばらくして、被災者の運転するドラグ・ショベルが土止め支保工周辺の40°ほどの傾斜地に侵入し車体が滑り始めた。慌てた被災者はドラグ・ショベルの運転席から飛び降りて地下車庫に移動したが、ドラグ・ショベルが車庫に激突した際に車体上部の旋回体が動いたため被災者に激突した。

原因・対策

本件労災の原因は、ドラグ・ショベルの転倒や転落を防ぐ対策が一切なされていなかったことや、建設機械の具体的な使用方法を示した適切な作業計画を定めていなかったことが挙げられる。

このような災害の対策として、傾斜が見られる現場で車両系建設機械を用いる場合は必ず誘導者を決めその者の指示に従って作業することと、作業における建設機械の使用方法を示した上で作業計画立てることが挙げられる。


一人親方あんしん労災 – ドラグ・ショベルと掘削溝の法面に挟まれる

一人親方あんしん労災 – はさまれ、巻き込まれの労災事例

ドラグ・ショベルと掘削溝の法面に挟まれる


発生状況

本件労働災害は法面に擁壁を作る工事で、下準備として丁張りを行なっていた際に発生した。被災者とドラグ・ショベルの運転手であるもう1人の作業員は、午前中に掘削の作業が終了したため午後から丁張り作業を行うことにしていた。

この作業はまず運転手が掘削した溝の東側法面にドラグ・ショベルを準備し、被災者をバケットに乗せる方法で行われた。1.2mほどバケットを上げたところで被災者がバケットから降り、その後運転手が運転席から降りてさげぶりを下げた被災者のもとへ向かい、針で丁張りに目印をつけた。

丁張りの手伝いが終了したので、運転手はドラグ・ショベルのバケットを降下させて被災者を降ろし、バケットを溝の西側法面に移動させた。先ほどと同様車両から降り被災者に「もういいか」と聞くと「はい」と返答があったため、運転手は辺りを確認せずにバケットを上昇させ左に旋回した。ところが被災者はまだ車体の稼働範囲内におり、バケットと溝の東側法面に体を挟まれてしまった。

原因・対策

本件労災の原因は、ドラグ・ショベルのバケットに人を乗せて作業したことと、運転手が周囲の安全を確かめずに機械を動かしたことが挙げられる。またドラグ・ショベルの可動範囲内に作業員の立ち入りを防ぐ対策がされておらず、誘導者を配置していなかったことも起因している。

このような災害の対策として、ドラグ・ショベルは運転席以外の箇所に乗らないことや、運転手が車体を動かす場合は必ず周囲の安全を確認することが挙げられる。さらに作業員が機械と接触する恐れのある範囲に立ち入らないよう対策を講じることや、誘導者を置きその者の指示にしたがって作業することが重要である。


一人親方あんしん労災 – 工程管理のための写真撮影中に足場にあった隙間から墜落

一人親方あんしん労災 – 墜落、転落の労災事例

工程管理のための写真撮影中に足場にあった隙間から墜落


発生状況

本件労働災害は、ビルの改修工事をする際に発生した。本工事はビルの外壁の防水工事および塗装工事を行うもので、被災者の所属する事業場とは別の請負人が先に足場の組み立てを行っていた。足場は幅約80㎝、高さ約1.8mの建わくを用いており、作業床には幅約50㎝で鋼製の床付き布わくを使用していた。

災害発生当日、被災者は別の作業員2人とともにスプレーガンを用いた吹き付け塗装を担当した。日の入り直前になり、作業の区切りがついたので被災者は工程管理のため塗装状況を撮影することにした。

被災者は足場の2段目で中腰の姿勢になりながら少しずつ後退して撮影しようとしていたが、足元を確認しておらず足場の交さ筋かいの下のすき間に落ち地上に転落してしまった。この時被災者が使用していたのは、借り物の使い慣れない小さなデジタルカメラであった。

原因・対策

本件労災の原因は、作業床の幅がわく組み足場の幅よりも狭かったことで隙間が生じたことや、隙間があるにもかかわらず安全帯の着用などの墜落防止対策を施していなかったことが挙げられる。また撮影にズーム機能など使い慣れていないカメラを使用したことも起因している。

このような災害の対策として、作業床と足場の幅の差を縮めてできる限りすき間を少なくすることや、わく組足場を使用するときは建わくの幅に適した床付き布わくを使用することが挙げられる。

また中腰で作業する際は安全帯の着用を怠らず中腰の姿勢のまま移動しないこと、足場の上で撮影する場合は機能や使用方法などを理解したカメラを用いて、三脚などを使用し無理な体勢にならないようにするなど状況に応じた対応をすることも重要である。


一人親方あんしん労災 – クレーンのジブが落下し激突

一人親方あんしん労災 – 飛来、落下の労災事例

クレーンのジブが落下し激突


発生状況

本件労働災害は、ゴルフ場で使用する防球ネットを張るために必要なコンクリート支柱を立てる作業中に発生した。コンクリート支柱は25mほどの長さで、これを立て込むには27mほどのジブでは長さが足りないことがわかり、クローラクレーンのジブを延長することになった。

被災者はまずクレーンのジブを倒して先端を地上におろし、別の作業員にジブの延長を手伝うように声をかけた。その後長さ約6mの継ぎジブを取りに行くため現場からすぐ近くにある工場に向かった。

駐車場に継ぎジブを持ち込んだ被災者は、先ほど声をかけた作業員と共にジブの継ぎ足し部分にある4本の接続ピンのうち下2本を取り外す作業を開始した。この作業員はすぐにピンを抜くことができたがこのまま続行してジブが落下するのを防ぐため、ピンを抜いた穴に取り付けるバールを取りに行くことにした。

一方被災者が扱うピンはなかなか抜けず、被災者はジブの真下でピンをハンマーで叩きながら取り外す作業を続けていた。そしてピンが抜けた瞬間、まだ外していなかった上のピンを中心にジブが曲がり、被災者はジブの下敷きになった。

原因・対策

本件労災の原因は、ジブを解体する際にジブを固定あるいは支持していなかったことと、解体する方法について作業員同士の連絡が足りなかったことなどが挙げられる。

このような災害の対策として、クレーン等安全規則に従い今回のような作業をする場合には作業指揮者を決定し、必ずその者の指示に従うことが重要である。

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