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建築/建設業界の労災事例

本サイトで紹介している労災事例は、実際にあった労災事故を掲載しておりますが、当協会によせられた労災事例ではありません。予めご了承ください。

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一人親方あんしん労災 – 作業者1名がバックホウ(ドラグ・ショベル)にひかれるの労災事例

一人親方あんしん労災 – はさまれ、巻き込まれの労災事例

作業者1名がバックホウ(ドラグ・ショベル)にひかれる


発生状況

本件労働災害は、配水施設の設置工事において、作業者1名がバックホウにひかれたものである。

事故発生当日は、作業員7名でバックホウの運転・掘削、目地塗り、掘削補助、材料の運搬など作業を分担して工事を進めた。その日の作業は順調に進んだため、夕方頃にはバックホウで整地に取り掛かっていた。

作業時間がまもなく終了する頃に、運転者はバックホウのエンジンをかけたまま操縦席から工事区域全体の見渡しを行なった。その際、被災者は後片付けをするために工具等を運びながらバックホウに近づき、空いていた運転席の下に荷物を置こうとした。

すると用具の1つが前後進操作用のペダルに乗ってしまい、重機は被災者がいる方向に急回転した。運転手は重機を停止させようとしたが、間に合わずに被災者がひかれたものである。

原因・対策

本件労災はバックホウのエンジンがかかっているにも関わらず運転手がサイドブレーキをかけずに見渡しを行い、その際に被災者を重機に近づかせたことが原因で起きた災害である。また荷物を置く際に細心の注意を払うべきである、前後進操作用のペダルに用具を触れさせてしまったことも要因の一つと言える。

このような災害を防ぐために、作業指揮者は運転中の重機の危険箇所へ作業者を立ち入らせないことなどの安全指導を事前に十分行うことが大切である。運転手は一時停止をする際に重機の不意な動作を防ぐようにサイドブレーキをかけたり、エンジンを止めたりすることがとても重要である。


一人親方あんしん労災 – 後進する積載形トラッククレーンにひかれる

一人親方あんしん労災 – はさまれ、巻き込まれの労災事例

後進する積載形トラッククレーンにひかれる


発生状況

本件労働災害は、建設用部材を積んだ積載形トラッククレーンによって、後方を歩く作業員がひかれたものである。トラッククレーンの運転手は荷物を積んだ後、バックするため障害物の有無を車両の後方まで歩いて確認した。その後安全だと判断した運転手は、はじめはバックミラーで後ろを見ながら運転し、そのあと右の車窓から顔を出し後ろの状況を確認しながらバックした。しかし数秒後、6mほど移動したところで衝撃を感じたため車両を降りて確認したところ、被災者が車両の左側後輪にひかれていることを確認した。

その後の調査で、今回使用した積載形トラッククレーンは、バックミラーで後方を確認した場合12㎡ほどの死角があることがわかった。さらにこの車両にはバック時に作動するアラームが設置されていたが、災害時は故障により作動していなかったことがわかった。また、今回の作業は指揮者を決めずに行われ、作業計画も特に定めていなかった。

原因・対策

本件労災の原因は、アラームが故障した積載形トラッククレーンを使用していたことと、バックするときに誰も誘導者がいなかったことが挙げられる。また、作業指揮者を選任せず、作業計画を立てていなかったことにも起因する。

このような災害を防ぐため、使用する建設機械は作業を開始する前に必ず点検し、積載形トラッククレーンでバックするときは、誘導者を置くといった対策が必要である。さらに作業現場には指揮者を配置し、作業場の広さや部材の位置などを反映させた具体的な作業計画を立てることが重要である。


一人親方あんしん労災 – ボーズと鋼矢板の間に挟まれる

一人親方あんしん労災 – はさまれ、巻き込まれの労災事例

ボーズと鋼矢板の間に挟まれる


発生状況

本件労働災害は、クローラクレーンにボーズを取り付け多滑車引き抜き工法で鋼矢板を引き抜き作業中に、接地していたボーズが鋼矢板側に滑り、手元作業員が鋼矢板とボーズの間に挟まれた事案である。

鋼矢板の引き抜きは3次下請けが行っており、現場責任者が重機を操縦するほか、ボーズの手元作業員が1名の合計2名で行われていた。杭抜き作業はボーズを支点にした多滑車引抜工法を採用していて、手元作業員は鋼矢板についている泥や土をスコップで落とす作業とくい抜き用のチャックの装着作業などに従事していた。作業手順は、地面に敷かれた鋼矢板の上にボーズを接地させチャックを鋼矢板に装着し、多滑車引抜工法で途中まで引き抜きたのちに、次の作業にうつるというものである。

災害発生当時、先に抜かれた鋼矢板の上にボーズを接地させ次の矢板の作業にうつる際に、ジブを旋回させた勢いでボーズが滑り鋼矢板と激突し、間にいた手元作業員が挟まれた。当日作業は作業手順書が策定されていたが、記載されていた誘導者はいなかった。

原因・対策

本件労災は、滑りやすい状態でボーズを使用したことに加え、ボーズを使用するときの立ち入り禁止区域の設定をしていなかったことと、策定されていた手順書通りに作業が行われなかったことに起因する。

このような災害の対策としては、ボーズを使用するときは安定した場所で使用することと、策定した点順を周知徹底すること。さらにボーズを使用する範囲で立ち入り禁止区域を取り決めておくことなどである。


一人親方あんしん労災 – 路面切削機の切削ドラムに巻き込まれる

一人親方あんしん労災 – はさまれ、巻き込まれの労災事例

路面切削機の切削ドラムに巻き込まれる


発生状況

本件労働災害は、テニスコートのラバー改修工事おいて、使用した路面切削機のカッターに作業員が巻き込まれたものである。

事故発生日に使用された路面切削機は、運転席のほかにリモートコントロールによって操作することができる。本工事では作業者は切削状況を確認しながら、路面切削機と一緒に歩く形で作業を行っていた。約5メートル進んだあたりで、切削したラバーがドラムに絡みついたため、作業者は一度機械を停止し、安全カバーを外して素手でラバーを除去した。そして工事を再開したが、安全カバーは外された状態のままだった。その後、約35センチのラバー片がドラムから飛び出してきたため、作業者は足で押さえつけてラバーを除去しようとした。その瞬間、ラバーが作業者の足に引っかかり、ドラムがラバーを巻き込み始めたため、作業者もドラムに巻き込まれ、被災した。

原因・対策

本件労災は、安全カバーを一度外して、そのまま外した状態で作業を続けたこと、ドラムから飛び出してきたラバー片を不用意に足で踏みつけたことが原因で起きた災害である。

このような事故の対処法としては、ドラムに巻き込まれたものを除去する際には必ず機械を停止させ、手工具などを使用すること。また安全カバーを取り外して修理を行い、作業を再開する際には必ず安全カバーをつけ直し、安全対策を万全にすることが大切である。以上のことなどをまとめた、作業標準を作成し、安全教育を行う必要がある。


一人親方あんしん労災 – タイヤローラーをトラックに積載作業中、ローラーに挟まれる

一人親方あんしん労災 – はさまれ、巻き込まれの労災事例

タイヤローラーをトラックに積載作業中、ローラーに挟まれる


発生状況

本件労働災害は、道路工事が終了し、使用していたタイヤローラーを搬送するため、トラックの荷台に積載する作業中に起きたものである。

作業はトラックのアウトリガーで車体前部を持ち上げ荷台部分を低くし、板を渡してローラーの自力で積載をした。作業者はローラーのエンジンを切りギアをLOWに入れたあと、トラックのウインチに付いているフックをローラーのリア部分に引っ掛け、ウインチを巻きワイヤーを緊張状態にした。

ここで、トラックの運転手がアウトリガーで上がった車体をフラットに戻したが、その際にローラーのエンジンが突然始動しバックをし始めたため、作業者はトラックの荷台とローラーに挟まれた。

原因・対策

本件労災は、作業法の策定がされておらず、作業者の独断で行われたこと。さらに地上でできるウインチの作業を荷台の上で行ったことと、作業者自身にローラーの知識が欠如していたことに起因する。 知識の欠如に関しては、デコンプレッション機構が作動するようレバーを引いていれば、突然エンジンがかかっても後進することはないが、その処置を行わなかったこと。ウインチで引っ張られたままローギアで始動した際に、後進することを予測してなかったことが挙げられる。

このような事案に関しては、特別蒸気を受けた作業者以外にローラーを運転させないことと、作業方法を策定し周知徹底すること。さらに、ウインチの操作を地上で行うことが挙げられる。

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