1. ホーム
  2. 労災事例

建築/建設業界の労災事例

本サイトで紹介している労災事例は、実際にあった労災事故を掲載しておりますが、当協会によせられた労災事例ではありません。予めご了承ください。

カテゴリー


一人親方あんしん労災 – 支保工が倒れトラッククレーンの荷台との間に挟まれる

一人親方あんしん労災 – 転倒の労災事例

支保工が倒れトラッククレーンの荷台との間に挟まれる


発生状況

本件労働災害は、積載形トラッククレーンでずい道支保工を切羽に近接した場所に仮置きする作業中に発生した。トラッククレーンは吊り上げ荷重400kgのもので、支保工は鋼アーチの2本1組で合計400kgのものを使用していた。

ずい道支保工の搬入は本来2人で行っている作業だが、災害発生時は1人の作業員が現場に遅刻しており、被災者は到着を待たずに1人でずい道支保工を荷降ろしする作業を行っていた。また災害発生時に使用していたトラッククレーンは、フックの外れ止め装置が壊れており装置を外した状態であった。

被災者はまずずい道坑口から支保工を搬入し、アーチの端を地面に着け壁面に立てかけるため押し倒そうとしたが、地盤が不安定であった上、玉掛け用のワイヤーロープが持ち上がったことでフックから外れたため被災者の方へ倒れてきた。これにより被災者はトラッククレーンの荷台と支保工との間に挟まれてしまった。

原因・対策

本件労災の原因は、支保工を立てて仮置きしようとしたことや、トラッククレーンのフック外れ止め装置が壊れており付いていなかったことなどが挙げられる。また通常は2人で行うべき作業を1人で行なったことも起因している。

このような災害の対策として、仮置きの際支保工は横に寝かせて置くことや、トラッククレーンの点検を実施し異常が見られた場合にはすぐに補修することが重要である。さらに支保工などの重量物を運搬する際に、積み下ろしなど1人では行わないように徹底することも重要である。


一人親方あんしん労災 – 積載形トラッククレーンの車両が倒れる

一人親方あんしん労災 – 転倒の労災事例

積載形トラッククレーンの車両が倒れる


発生状況

本件労働災害は、排水路工事に使用した土止め用鋼材を移動式クレーンで運ぶ作業中に発生した。運搬には吊り上げ荷重2.93tの積載形トラッククレーンを使用することになったが、普段クレーンを運転する作業員が当日不在だったため被災者が代わりに運転することになった。

作業は被災者を含めて2人で行われることになり、もう一人の作業員は玉掛けを担当した。作業手順は、鋼材3、4枚をワイヤーロープでくくる→合図を送る→被災者がクレーン車の荷台まで鋼材を移動させる→荷台に乗りワイヤーロープを外す→荷台から降りるというものだった。

これを2回行った後被災者は資材おき場までトラッククレーンを運転し、もう一人の作業員は車両の後ろを徒歩でついて行き資材置き場で荷下ろしをした。この時も先ほど同様被災者がクレーンを操作しもう一人が玉掛けを担当した。

ところが作業開始からしばらくして玉掛けを担当する作業員が小休止するといったため、被災者は1人で作業を続行することにした。鋼材7枚(約2.4t)を一度に玉掛けした被災者は荷下ろし作業を開始しようとしたが、吊り荷の重さに耐えきれなくなったトラッククレーンが右に傾いてしまい、その結果被災者の体は車体と隣に置いていた鋼材の間に挟まれた。

原因・対策

本件労災の原因は、アウトリガーの張り出しが不十分であったことや定格荷重を超える7枚の鋼材を一度に吊り上げたことが挙げられる。また被災者が日頃から積載形トラッククレーンを運転しておらず、知識が不十分であったことも起因している。

このような災害の対策として、トラッククレーンを用いて作業する場合には必ず定格荷重を超えないよう注意することや、アウトリガーを最大に張り出すことが重要である。さらに建設機械は専門知識を所有し適切な安全教育を受けた者だけが操作するよう徹底することも重要である。


一人親方あんしん労災 – ドラグ・ショベルが転倒し運転手が下敷きに

一人親方あんしん労災 – 転倒の労災事例

ドラグ・ショベルが転倒し運転手が下敷きに


発生状況

本件労働災害は、ゴルフ場を改修する工事中に発生したものである。災害発生当時はコース内に必要なくなった木を伐採して、杭として使用可能なものを選び分けた後で不要なものを焼却することになっていた。

作業はドラグ・ショベルを2台、不整地運搬車を1台使用することになっていた。作業内容はドラグ・ショベル1台で焼却に使用する穴を掘削し、もう1台で切り倒した松のうち廃材となるものを分けて穴に落とし、杭になるものは不整地運搬車で平地に運搬するというものであった。

現場には作業員が15人おり、そのうち車両系建設機械運転技能講習修了者は被災者を含めて3人であった。しかし被災者は専門の講習を受け終わったばかりの者で運転経験が浅かったため、不整地運搬車の運転を担当することになり他の2人がドラグ・ショベルを1台ずつ運転することになった。

災害発生当日はドラグ・ショベルを運転する作業員の1人が休んだため、不整地運搬車1台とドラグ・ショベル1台のみで作業が行われる予定だった。しかし木を寄せてグリーン脇の傾斜部分を下っていたドラグ・ショベルを見た被災者は、作業を手伝おうと思いグリーンの高台にあったもう1台のドラグ・ショベルに乗り込んだ。

被災者はアームを上げ切った状態で、前方のドラグ・ショベルを追うように傾斜地を下っていった。ところが斜面の途中にある旧歩道を通過しようとしたところで車体が大きく傾き、そのまま倒れてしまい被災者はドラグ・ショベルの下敷きになった。

原因・対策

本件労災の原因は、担当する運転手以外の人物も鍵を持ち出して建設機械を運転できる状況であったことや、ドラグ・ショベルのアームを上げ切った状態で不安定なまま操作したことが挙げられる。

このような災害の対策として、建設機械の運転は必ず指定された人物以外行わないように対策を講じることや、ドラグ・ショベルを運転する際にはアームを下げて手前に寄せ、車体を安定させることが重要である。


一人親方あんしん労災 – フォークリフト横転で運転手が投げ出される

一人親方あんしん労災 – 転倒の労災事例

フォークリフト横転で運転手が投げ出される


発生状況

本件労働災害は型枠を設置する工事を行う際に発生した。作業は、型枠の加工を数日間行う→工事現場まで型枠を運搬する→型枠を組み立てるという手順で行われる予定で、被災者を含めた3人の作業員が担当していた。

被災者は屋外の加工場で型枠の加工作業を完了させ、もう1人の作業員と共に残った資材の片付けを開始した。資材の運搬には最大荷重770kgのフォークリフトを使用することにしたが、普段フォークリフトの運転を担当している作業員が不在だったので、被災者が運転し別の作業員は加工場で散らばった資材をかき集めることにした。

資材を載せて倉庫までフォークリフトで移動した被災者は、資材を降ろした後加工場に戻るためハンドルを切って後進した。すると車体は数メートル下がった後、倉庫を新しく建設するために掘られた基礎用の穴に落ちてしまった。フォークリフトは斜めに転倒し、運転席にいた被災者は体を投げ出され穴に転落した。

原因・対策

本件労災の原因は、倉庫新築のための穴に看板など危険を知らせる対策が一切されていなかったことや、被災者がフォークリフトの運転に必要な教育を受けていない者だったことが挙げられる。また他の作業員2人がそれぞれ別の場所にいたため穴の危険性に気づかなかったことも起因している。

このような災害の対策として、転落のおそれがある場所では危険を知らせる措置を講じることや、フォークリフトの運転は必ず特定の教育を受けた人物が行うことが重要である。さらに片付けを含め全ての作業は、実施する前に現場の状況を事前に確認した上で安全に配慮した計画を定めることも重要である。


一人親方あんしん労災 – 吊り荷の振りによりクレーンが転倒し破損

一人親方あんしん労災 – 転倒の労災事例

吊り荷の振りによりクレーンが転倒し破損


発生状況

本件労働災害は、林道開設の工事現場において、道を拓くために伐採された倒木をホイールクレーンで吊り上げたあと、所定の場所へ移動する作業中に起きた事案である。

災害発生当時はホイールクレーンを勾配約8度の未舗装の場所に設置し、勾配上方で伐採された樹木に講習修了者が玉掛けをし、ジブ・補ジブも最大長(ジブは30メートルで補ジブは12メートル)まで伸ばした状態で勾配下方へ旋回して移動させ、樹木を降ろす作業中であった。事故発生時のジブの角度は70度で定格荷重は1.6トンであった。未舗装の場所は、雨続きで地盤が緩んでいる状態であった。

玉掛けを終えたあと、クレーンオペレーターは一本づりの状態で樹木(長さ4メートル、重量280キロ)を吊り上げ、後方へ旋回を始めたところ、右後方のアウトリガーが沈下し車体が傾いて、そのまま横転し伐採前の樹木に激突してジブを破損した。その際、全てのアウトリガーが最大幅に張り出されていて、それぞれに鉄板の敷板が敷かれていた。

原因・対策

本件労災は、まずクレーンのアウトリガーを張り出した場所の地盤が緩かったことが理由として挙げられる。ほかに一本づりで玉掛けを行ったがために、荷が不安定となり旋回時に振れが発生したことと、作業中の方法などが策定されておらず、地面が崩れた際にも合図が発せられなかったことも原因である。

このような災害に対してはまず現場の作業方法や合図などを策定の上、現況を充分に把握することが大切である。さらにアウトリガーを張り出す場所も、地盤の緩んでいるような不適切な場所を避けることと、玉掛け時に長さがあるものを吊るときには一本づりは避けて、天秤づりなど荷が振れない方法を選ぶことも重要である。

カテゴリー