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建築/建設業界の労災事例

本サイトで紹介している労災事例は、実際にあった労災事故を掲載しておりますが、当協会によせられた労災事例ではありません。予めご了承ください。

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一人親方あんしん労災 – 金具設置作業を高所で作業しているときに墜落

一人親方あんしん労災 – 墜落、転落の労災事例

金具設置作業を高所で作業しているときに墜落


発生状況

本件労働災害は、砂防堰堤建設工事現場において足場を組む作業中に発生したものである。

この工事は川に高さ15mの砂防堰堤を建設するもので、型枠組立とコンクリート打設を1mおきに繰り返しながら堰堤を完成させるものだった。作業用に張出し足場が組まれていたが、堰堤の高さが上がるたびに足場の高さも上げていた。

架替えにはブラケット設置用の単管を設置し、既設の手すりと足場板を外してから、単管にのってブラケットを付け直すことを繰り返していた。災害発生当時もこの作業中で、単管にのって手すりを留め具で固定する作業をしていたところであったが、被災者は乗っていた単管から足を踏み外し7m下に墜落した。

事故発生当時、被災者は安全帯を着装してはいたが、現場に親綱が設置されておらず、安全帯を使用することができなかった。

原因・対策

本件労災は、高所作業にも関わらず安全帯を使用するための親綱がなく、被災した者の安全帯が使用できない状態であったことが主因である。

このような災害の対処法として、足場板や作業板のない状態で作業することが減るように、あらかじめブラケットを相当数用意しておくことと、安全な作業方法を策定しておくことが重要である。また高所作業現場においては親綱などを設置し、作業者が完全に安全帯が使用できる状態にすることや、安全に作業が進められるように作業工程の策定などを行っておくことも肝要である。


一人親方あんしん労災 – 4階建倉庫の組み立て作業中、作業者がタラップから転落

一人親方あんしん労災 – 墜落、転落の労災事例

4階建倉庫の組み立て作業中、作業者がタラップから転落


発生状況

本件労働災害は、4階建鉄骨倉庫の組み立て作業中、鉄骨を設置するためのボルトを3階から2階に取りに行く際に、作業者1人がタラップから転落したものである。

災害発生当日、元請け会社の現場代理人は留守であり、孫請け会社の作業者5人とクレーン運転手の合計6人で、アングルを柱に取り付ける作業を行なっていた。作業開始前に作業者6人で作業に関するミーティングは行っていた。被災者は3階部分で作業を行なっていた際に、アングルを締めるためのボルトが足りなくなってしまったため、2階まで取りに行こうとした。移動に使用した金属製昇降用タラップは、水滴がついていたため滑りやすくなっていたが、被災者は気づかずに足をかけた。その際に、足を滑らせて7m下まで転落したものである。タラップはハシゴのような形状のもので、各階部分を結ぶために番線で梁に固定されていた。

原因・対策

本件労災は、作業を行う上で必要になるボルトがあらかじめ所定の場所に準備されていなかったことと、昇降用のタラップが水滴によって滑りやすい状況であったことが原因で起きた災害である。

このような事故の対策として、使用する材料は必ず作業開始前に必要な数を準備しておくこと、作業中に極力梁上を移動することがないように効率的な計画を立てること、安全な状態の昇降設備を利用することがとても大切である。


一人親方あんしん労災 – はぶ塗装中の安全対策不備による落下事故

一人親方あんしん労災 – 墜落、転落の労災事例

はぶ塗装中の安全対策不備による落下事故


発生状況

本件労働災害は、はぶを塗り替えるため布板と脚立を用いて庇に登り、滑って落下したものである。

工事は被災者の所属する下請けと、作業の指示を行う元請けによって進められていた。災害発生2日前、元請け業者数人は現場の視察を行い、家屋の庇に登る際には安全確保のため足場が必要であると判断した。したがって下請けには単管足場の準備をしてから塗り替えを開始するよう報告していた。

しかし災害発生当日までの間、予定通りに工事が進んでおらず、このままのペースでは完工予定日を過ぎてしまう可能性があった。そこで元請けに所属する1人が、時間短縮のため被災者に対し布板と脚立で庇に登れるのではないかと提案した。それに納得した被災者は脚立に布板を架け、庇に渡ってはぶの塗り替えを行なったが、半分ほど塗り終えたところで滑ってしまい1.9m下の地面に落下した。その際、被災者はヘルメットの顎紐を締めず、また安全帯も着けていなかった。

原因・対策

本件労災の原因は、元請けに指示されたにも関わらず下請けの1人による独断で単管足場を用意しなかったこと、また被災者が危険性を顧みずに提案を受け入れ実行してしまったことが挙げられる。

このような災害の対策として、はぶの塗り替えをする場合など高い場所では必ず転落を防ぐ構造を持った安全性の高い足場を用意することと、下請けは基本的に元請けの指示に従い、無断で別の方法を取らないということが挙げられる。他にも、工事中はヘルメット、安全帯を適切な方法で身につけることが重要である。


一人親方あんしん労災 – マンション建設中に梁から落下

一人親方あんしん労災 – 墜落、転落の労災事例

マンション建設中に梁から落下


発生状況

建設は民間工事によるもので、鉄骨を組み立てる作業は下請けによって行われており、被災者もそこに所属していた。被災者は当時、本来各階に敷かなければならないはずのキーストンプレートを各階の1箇所にまとめて置く仮置き状態にしてしまっていた。

その後は屋上に突き出した塔屋、ならびに6階のボルトを本締めする作業をすることになっていた。作業を始めてから1時間が経過し、被災者は鋼材の継手部分に使用する重さ約1.5kgのジョイントプレートを5枚持ち、H形鋼の上を渡っている途中で高さ27mから落下した。

災害当時の天候は晴れており、風もなかった。被災者を含めた作業員の多くは安全帯を装着していたものの使用しておらず、高所での作業に必要不可欠な安全ネットも張られていなかった。

原因・対策

本件労災原因は、通常安全対策のネットを張る必要があるにもかかわらず、今回の災害現場では張られていなかったことや、親綱につけて使用する安全帯を使用していなかったことなどが挙げられる。さらに作業中に落下を防ぐための物理的な準備がなされていなかったことや、落下を防ぐための作業計画が十分に練られていなかったことも、本件災害の原因である。

対策として、ネット、親綱といった設備を確実に準備しておくことに加え、より具体的に作業内容とその順序を確かめ、業務中に落下することのないよう全体で共有する必要がある。またつり足場等の設置計画は設計の段階で行い、アームジョイント等の設備を鉄骨加工工場であらかじめ装備することや、作業主任者による作業管理の徹底、さらに下請けに対し元請けの技術面での適切な指導が必要である。


一人親方あんしん労災 – ドラグ・ショベルをトラックの荷台に積込中に転落して下敷きに

一人親方あんしん労災 – 墜落、転落の労災事例

ドラグ・ショベルをトラックの荷台に積込中に転落して下敷きに


発生状況

本件労働災害は、作業で使用済みとなったドラグ・ショベルを移送するために、トラックへ積み込む作業中に、ドラグ・ショベルがトラックから転落し、ドラグ・ショベルの操作をしていた者が、下敷きになった事案である。

災害当時、現場作業は3名で行われていた。被災者がドラグ・ショベルを、もう1名はトラックの運転操作を、別の1名は別の重機を操作していた。

前日から雨が続きぬかるんでいたため、トラックの運転者は荷台のみを現場にいれてアウトリガーを出し、荷台の位置を下げていた。運転台部分は道路に出たままだったので、運転者はトラックを停めたあと、道路で交通整理をする必要があった。別の重機を操縦していた者は、この場所から離れていた。

被災者は1人でドラグ・ショベルの作業を行っていた。まず、前進する形でトラックの荷台の半分弱まで登り、180度旋回ののち、地面にバケットを接触させながら後進した。ただ進行方向に10度以上のずれがあり、後進しながらトラックから落下、運転台から放り出された被災者が下敷きとなった。

このドラグ・ショベルはトラックの荷台の幅より0.3m広かった。

原因・対策

本件労働災害は、ドラグ・ショベルの積み上げ作業を単独かつ視界不充分で行ったこと、トラックの幅よりドラグ・ショベルの幅のほうが広かったことが主因である。さらに、トラックの荷台と地面に隙間があるにもかかわらず、その差を埋める作業をせず、荷台に対し斜めにあがっていったことも挙げられる。

このような労働災害についての対策は、道板などでトラックの荷台と地面の差を埋めることに加え、作業計画を策定し、指揮者を定め単独作業としないこと。さらに、ドラグ・ショベルの幅よりも広い荷台のトラックを用意することである。

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