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建築/建設業界の労災事例

本サイトで紹介している労災事例は、実際にあった労災事故を掲載しておりますが、当協会によせられた労災事例ではありません。予めご了承ください。

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一人親方あんしん労災 – 型枠支保工の解体作業中に背面の山肌が崩壊

一人親方あんしん労災 – 崩壊・倒壊の労災事例

型枠支保工の解体作業中に背面の山肌が崩壊


発生状況

本件労働災害は、水無川の護岸工事と山肌の崩落防止のために、護岸と土留擁壁造成工事中に起きたものである。

被災者2名が所属している会社は、そのうち型枠工事の全てを請け負っていた下請け業者だった。

土留擁壁造成は3段階に分けられ実施されることが決まっており、型枠設置とコンクリート打設を繰り返し行うことになっていた。1段目はドラグ・ショベルを用いて掘り下げたあとに基礎部分を打設、2段目はそこからさらに積み上げる形で打設し3mの高さに到達した。ここで、背面の山の頂上部分を1.8m手で掘り下げ、搬出された土砂で埋戻しがされた。

そのあと3段目の打設が完了し、その翌日に支保工の解体を、山側の南北双方から1名ずつ開始して中央に寄ってきたあたりで、山の上から小石が落ちて来はじめ、その後すぐに山が崩れ、コンクリート擁壁に押されるように、2人とも土砂に飲み込まれた。

現地の地質調査は元請け会社が踏査と目視で実施、山の点検も目視で行っていた。被災日直前に、崩落要因になるような強雨はなかったが、ひと月前の長雨では累積雨量は40mmと多かった。

原因・対策

本件労働災害が発生は、ひと月前に雨が続き浸透水によって山の地質が緩んでおり、とくにレキが少なく粘土質な中部下層が、崩れやすくなっていたこと。さらに、地質調査に専門性が欠けており、状況把握が不充分であったこと。崩落等の危険防止措置が施されていなかったことなどに起因する。

本件労災のような事案への対策として、工事前には綿密な地質調査を行い、崩壊する恐れがある場合には必要な対策を講じること。また、雨量が一定の数値を超えた場合は、山の地質や状況等の点検を行うことである。


一人親方あんしん労災 – 伐倒木の下敷きとなり死亡した災害

一人親方あんしん労災 – 崩壊、倒壊の労災事例

伐倒木の下敷きとなり死亡した災害


発生状況

災害が発生した、伐木、搬出の作業は事業場の代表者Aと、伐木を行う作業者Bおよび搬出等の作業を行う作業者C、D、Eの3名、合わせて合計5名で行っていた。災害が発生した当日は、伐木作業を行うBがケヤキ高さ1.2メートルの高さで幹回りが1.43メートル、高さ25メートルの伐倒作業と、玉切り作業をして、A、C、D、Eが既に伐倒され、玉切りされてところどころに集められている木材を、トラックで現場から運び出す作業を行うことになっていた。

作業者DとEは、遅れておりまだ現場に来ていなかったが、A、B、Cは午前8時頃から作業を開始していた。DとEは少し遅れて、午前8時10分頃現場に到着した。伐木作業をするBは既にケヤキをチェーンソーで切りはじめており、隣接木の枝がからんで山側(東の方向)へは倒せないのに気がつき、近くに来ていたAに伐倒方向について、相談した。

この時Aは、DとEが60メートルほど下の林道まで到着しているのを見たが、BはDとEが近づいているのに気がついていなかった。相談の結果、伐倒方向は南の林道の方向にすることとなり、Bは近くにいたAと建設機械のオペレーターで積み込み作業を行うCが山側に退避したことを確認して、午前8時30分頃から再度伐倒作業を始めた。

伐倒後Bが、玉切りのため、この伐倒されたケヤキに近づいた時、ケヤキの枝の下敷きになっているDとEを発見した。Dは伐採した木で即死、Eは病院に収容した後死亡が確認された災害であった。

原因・対策

災害が発生した原因は、伐倒をする際に、事前に合図がなかったこと、また伐倒方向に作業者のいないことを、伐倒をする際に十分確認されないまま伐木が行われたこと。被災者が伐木作業を行っている危険な作業場所に近づいてしまっていたこと。被災者が保護ヘルメットでの安全対策をしていなかったことが原因と考えられる。

安全対策は、伐倒作業を行う際に、伐倒をする開始する合図を定めるとともに、関係作業者が周囲に居ないよう周知するとともに、伐倒する者に合図を実施させ、他の作業者が退避したことを確認した後でなければ伐倒させないことに改善した。

伐倒作業においては、他の作業者が作業場所付近に近づき、伐倒木が接触するおそれがあることから、作業開始前に十分打ち合わせを行い、作業の手順、伐木作業を行う場所等について関係者全員に周知すること。関係作業者に対し、伐採、造材等の作業における過去の災害事例を交えた安全教育を事前に実施すること。作業者全員に保護帽のヘルメット着用を徹底させることにした。

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